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金曜日の午後の授業も終わり、俺は後ろ席の萌香さんに声をかけた。 月音「さ~て、部室に行こうか?」 萌香「うん。胡夢ちゃんまだ教科書読んでるの?部室行かない?」 俺と萌香さんは胡夢ちゃんの席に近づいた。 胡夢「..ぶつ、ぶつ、なるほど..」 胡夢ちゃんは教科書ではなく、古い何か難しいそうな本を真剣に読んでいて、俺達の呼びかけに気が付いていないようだった。 月音「胡夢ちゃん、胡夢ちゃんてば、、」 胡夢「えっ?わっ?急に何、何?」 萌香「授業終ったよ。部室行かない?」 月音「さっきから授業も聞かないでその難しそうな本を読んでたの?」 俺は胡夢ちゃんが読んでいる本を覗き込もうとした。 胡夢「えっ?あぁ、これね。」 胡夢ちゃんは本の中身を見られないように急に本を閉じた。 胡夢「こ、これは我が家に伝わる秘伝の書物で、、、この前の私の誕生日にお母さんから譲り受けたんだけど、、使えそうな技とかいろいろ載ってて、、そうだ!新しい技覚えたら、月音相手してくれない?」 うっ、やぶへびだった。どうせ裏モカさんを倒すための攻撃技にちがいない。 月音「いゃぁ、遠慮しとくよ。(^^; それより部活どうする?」 胡夢「うーん、早く技を覚えたいので、今日はお休みするね。来週からは真面目に参加するから。ごめーん」 というわけで、今日は俺と萌香さんと紫ちゃんとで次の発刊号の特集についてアイディアを出し合うことになった。しかし結局まとまらず、来週に胡夢ちゃんも含めて再度検討することになった。 部活の後に瑠妃さんからの依頼を受け、明日の早朝に人間界に出かけなければならないことになったので、今日は寮に帰った後早めに布団に潜り込んだ。 明日の事が気になりなかなか寝付けなかったが、いつの間にかトロトロと夢の中へと落ちて行った。 俺は夢の中で薄ピンクの何もないただっ広い空間の中に浮かんでいた。 月音「ここは何処だろう、、こんな夢は初めてだな」 不思議とこれは夢の中であることは感じられていた。しかし、何も見えないし、聞こえない。と、思っていたら、遠くから何かが聞こえてくる。 ?「、、ね。、、くね。聞こる?つくね?」 誰かが俺を呼んでいるようだ。誰だろう? 月音「誰?俺を呼ぶのは?どこ?」 胡夢「え?本当につくね?聞こる?私の声が聞こえるの?私よ、胡夢よ。わかる?」 確かに胡夢ちゃんの声だった。 月音「うん聞こえるよ。何処にいるの?姿が見えないけど、声はなんとなく聞こえるよ。」 胡夢「ちょと待ってね、いまそっちに行くから、ええと、、、行くよ。」 すると目の前に小さな黒い穴が現れ、段々大きくなった。俺は恐る恐るその穴を覗き込もうとしたその時、奥から胡夢ちゃんが現れた。 胡夢「わ!本当に月音だ。やったー会えてうれしい~。」 胡夢ちゃんがいきなり抱きついてきたので、その豊満な胸に俺の顔が埋まってしまった。 月音「う、うぷぷ!苦しいよ胡夢ちゃん。」 うーん、夢の中でも胡夢ちゃんは同じだ。というより俺の夢なんだから、俺の記憶の中の行動パターンしか現われないわな。 胡夢「ふふふ。月音ってば、深層心理では私に会いたいと思ってるから夢の中も出てくるんだよー。」 月音「うーん。そうなのかな。そうかもしれないなぁ」 なんとなく納得しながらも、まだ胡夢ちゃんの柔らかな胸を頬に感じている。 月音「ちょ、、ちょっ。取り合あえず離れようよ。」 夢の中とはいえなんとなく萌香さんが気になる。 胡夢「えー。やだー。これは夢なんだから、月音の好きなことしていいんだよー。本当は私のオッパイ触りたいんでしょーw」 うー、、そういわれれば俺の夢なんだから、どんなことをしてもいいはずだ。それに触りたいか触りたくないかと問われれば、正直に言うと前から触ってみたいと思っていた。 月音「うーん。ちょっとだけ触ってみたいような、、、」 胡夢「ちょっとだけ?ちがうでしょーwいいのよーいっぱい触っても。ほら!」 そう言って胡夢ちゃんは俺の手をとり、自分の胸に押し当てた。 月音「うっ!うぁっ!! や、わわらかいいぃい」 胡夢「いやーんw月音。もっとやさしく触って」 胡夢ちゃんは俺の手を胸に押し付けてゆっくりと回した。手のひらの中でやわらかいオッパイがくるくると回った。 胡夢ちゃんの頬が少しピンク色になっているのがわかる。 胡夢「服の上からもいいけど、、本当はもっとやわらかいんだよw」 胡夢ちゃんは背中のホックをはずし、服の下からブラを取りはずした。 胡夢「ねぇ、、、直接触って。」 そう言って今度は、俺の手を服の下から中へと誘い、直にオッパイへ導いた。 月音「え、え。ええええ!」 胡夢ちゃんのオッパイは本当に吸い付くように滑らかだった。しかも、服の上から触ったときより柔らかかった。手のひらの中にちょっとした突起が感じられる。 胡夢「ねぇ、やわらかいでしょ。私、暑くなってきちゃったので、脱ぐね」 胡夢ちゃんはとうとう上着を脱いでしまい、俺の目の前で美しい豊満な胸をあわらにした。巨乳ではあるもののツンと張りがあり、白い乳房の先ににある乳首は薄ピンク色で美乳だ。 月音「、、きれいだよ、胡夢ちゃん」 胡夢「あんwありがとう。ねね、もっと触って。ね」 俺は何も考えられなくなり、今度は自らの意思で胡夢ちゃんの胸に手を置いた。 手の平の真ん中に乳首を感じながらゆっくりと円を描いた。 胡夢「あーん、、月音、、私、、感じちゃう、、」 手のひらの中の小さかった突起がだんだんと硬くなってくるのがわかる。俺はその突起を直接指でつまみ、親指と人差し指でこりこりと刺激した。 胡夢「あ、あ、ああん、うれしい。月音に触ってもらってうれしいよ。ずっとこうしてほしかったんだよ。」 胡夢ちゃんは潤んだ瞳で俺を見つめた。今までそんなにも俺のことを思っていてくれたのか、と考えるとなんだかとても愛おしく感じてきた。そうだ、これは俺の夢なんだから、俺のしたいようにしたっていいんだよな。 月音「胡夢ちゃん。かわいいよ。」 俺はそういいながら、胡夢ちゃんの胸に顔を近づけピンとたっているピンク色の乳首を口に含んだ。口全体で乳輪ごと含み、舌の先で硬くなった乳首をくるくると刺激した。 胡夢「あーーーーーんwやだ月音ったら。そんな風にオッパイ吸われると、私、私、、」 右、左、右と交互に胡夢ちゃんの乳房を愛撫すると、胡夢ちゃんは身体をよじりながらも俺の頭をきつく抱きかかえ、快楽に耐えていた。 俺の股間も既に激しくいきり立ち、ズボンが痛いくらいだった。 胡夢ちゃんは乳首を吸われながらも俺のズボンのチャックを下ろし、窮屈だった息子を解放してくれた。 胡夢「今度は私が気持ちよくしてあげる番ねw」 そう言って胡夢ちゃんは手で俺の息子を上下にこすり始めた。胡夢ちゃんの柔らかな手による刺激で透明な汁がとろとろとこぼれ始めた。 月音「う、うう。胡夢ちゃん気持ちいいよ。」 俺は腰を上げ、ズボンをすべて脱いだ。胡夢ちゃんは右手で竿をこすり、左手で玉の部分をやさしくまさぐってくれた。透明な汁が胡夢ちゃんの手にもかかり、にゅるにゅるといやらしい音を立て始めた。 胡夢「ふふふ。気持ちいいんでしょう。でも、もっといいことしてあげるね。」 月音「あ、、あふぅっ」 胡夢ちゃんは俺の先っちょを口に含み、舌の先で尿道口を刺激し、時には玉から竿の部分をスジに沿って舐めあげてくれた。 これややばい、やばすぎる。俺は耐え切れないかもしれない。 月音「く、胡夢ちゃん。ま、まずいよ。俺、我慢できないよ、、」 胡夢「ふふふw月音ってば男の子なのに切ない声出すんだねw。もうちょっと我慢して今度はこうしてあげるから。」 胡夢ちゃんは俺の先っちょを口で刺激したまま、自分の巨乳で竿をはさんでくれた。手とは違ったやわらかい刺激が俺のモノをさらに硬くする。 くちゅ、くちゅ、しゅっ、しゅっ、しゅっ。 いやらしい音だけが聞こえてくる。俺はもう限界に達しようとしていた。 月音「胡夢ちゃん、俺、もうだめだ。ごめん。あ、ああっ」 胡夢「んっ?!、んっ、んっーーーん」 俺は胡夢ちゃんの口の中にすべてを放出してしまった。胡夢ちゃんは一瞬驚いたようだったが、俺のモノから口をはずさず、むしろ俺の愛情をすべて受け入れるようにすべてを吸い取ってくれた。 月音「ごめん、先に逝っちゃった」 胡夢ちゃんは俺の股間から口を離し、優しく微笑みかけてくれた。 胡夢「ううんw月音が心を開いて素直に気持ちよくなってくれたから、私うれしいよ」 月音「今度は、俺が胡夢ちゃんのためにしないといけないな。」 胡夢「うんwいっぱい気持ちよくしてね」 胡夢ちゃんは履いていたスカートをはずし、ゆっくりとパンティーを下ろした。でも恥ずかしそうにその部分を手で隠す。 月音「手をどけないと見れないよ」 胡夢「えー、、でも、恥ずかしい。見てもいいけど、笑わないでね」 月音「笑わないよ。さあ、俺に見せてごらん」 胡夢ちゃんはゆっくりと手をどけた。そこには予想していた茂みはなく、きれいなスジだけがあわらになっていた。 月音「胡夢ちゃん、毛が、、」 胡夢「やん、はずかしい。家の家系はみんなこうなんだけど、変でしょ、、」 月音「ううん、変じゃないよ。むしろ、きれいだよ。」 豊満な乳房にもかかわらす、いっぺんの曇りもないスジというアンバランスな体型に俺の息子は興奮し、また天を仰ぎはじめた。 月音「さあ、こっちにおいで。そして座って。」 胡夢「やん、こんな格好恥ずかしい、、」 俺は胡夢ちゃんの両足首をつかみ大きく開かせた。アソコの奥から透明な汁がこぼれているのが見える。俺はそこにそっと舌を這わせてやさしく愛撫した。 胡夢「あん、あん、あん、、いや、月音、だめ、ちょっ、刺激が強すぎるよぅ」 胡夢ちゃんが腰を引こうとするが、逃さない。さっきのお返しとばかりに俺は口で胡夢ちゃんを攻める。 胡夢「ひ、、ひぃ」 俺は胡夢ちゃんのつるつるのアソコを舐めながら中指を出し入れした。くちゅくちゅ音がして次から次へと透明な汁がとどめなく流れ出す。 胡夢「だ、だめ。本当に逝っちゃう。やだ、あ、待って、、、」 月音「もう逝っちゃうの?」 胡夢「月音と、、月音と一緒に逝きたいの、ね、お願い、入れて。月音のを入れて。」 俺は顔を上げ、胡夢ちゃんを抱きながら仰向けに倒れた。胡夢ちゃんは黙って俺の腰の上に乗り、自らの手で俺のモノつかみ秘部へと誘導した。 胡夢「は、、はぁぁ、、」 ため息とも、叫び声ともつかない切ない声が漏れた。 俺は胡夢ちゃんのオッパイをしたからもみながらゆっくりと腰を突いた。 胡夢「あん、ああん、あん、あん」 振動にあわせて豊満なおっぱい揺れ、かわいい喘ぎ声が響く。その光景だけでも充分興奮する。 胡夢「あ、あたるよ、、つ、月音のが、奥にあたって、気持ちいぃよおぅぅ」 確かにリズムに合わせて腰を突くたびに、先っちょが子宮口に当たる感覚がある。胡夢ちゃんはそこに当たるたびに切ない喘ぎ声を漏らす。 胡夢「もう、、だめ、あ、、もうだめなの、、いっちゃいそう、、、逝かせて。ねぇ、月音いかえてぇ、、」 月音「お、、俺もそろそろ出そう。いいの?中で出してもいいの?」 胡夢「いいの、抜いちゃだめ。このまま、はぅう、このまま逝って。いいよー」 確かにこれは俺の夢なのだから中出しちゃってもいいだろう。しかし、夢にしては気持ちよすぎる。おれは、この際思いっきり射精してしまおうと覚悟を決めた。 月音「逝くよ、一緒にいくよ胡夢ちゃん。ね、、あ、、もうだめだ、、あぁ、」 胡夢「あ、あ、あーーーーーっ」 ぷぴゅっ、ぷぴゅっ、ぷぴゅぅぅぅ 胡夢ちゃんの全身が激しく痙攣し、おれも胡夢の中にありったけの精液を注ぎこんだ。 そのまま胡夢ちゃんは崩れるように倒れこみ、俺は優しくその身体を包んだ。 遠のく意識の中で、胡夢ちゃんのさっきの言葉を思い出していた。つるつるの家系ってことは、あの美人のお母さんもパイパンなんだろうかと、、俺はそのまま深い眠りへと落ちていった。 ....................................... ピピピ!ピピピ!ピピピ!ピピピ! 俺は目覚まし時計の音で目が覚めた。気がつくと布団の上でズボンとパンツを脱いで横たわっている。 不思議なことにちんちんの表面は精液と愛液でドロドロになっているが、発射したはずの大量の体液はどこに行ったのか不明で、布団も身体のほかの部分も汚していないようだ。 俺は昨夜のことが夢なのか本当だったのか区別がつかず呆然としていたが、再び目覚まし時計に目をやると6時45分を差している。 月音「まずい、臨時バスって7時出発だったよな。」 俺はあわてて着替えをし、部屋を飛び出した。 枕元には小さく丸まった白いパンティーが転がっていた。 (END)
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そう、僕達が出会ったのは嘘みたいな偶然の必然だったんだ。 医者「入院ですね」 男「…本当ですか?」 医者「はい、有無を言わさず入院です」 男「そうですか…」 母(ま、ちょっとだけ早い夏休みと思ってのんびりしなさい) 男「簡単に言ってくれるよ…こっちは勉強が遅れるってのに」 そんなわけで、俺は今病室に向かっています。 男「…あれ?」 金髪カールの気の強そうな女の子が壁にもたれかかって苦しそうだ…。 男「大丈夫か?」 ツン「…」 男「…無視ですか」 ツン「…」 男「そりゃ赤の他人だけど、親切心で話かけてるのに…」 ツン「うるさいわね」 男「…え」 ツン「うるさいって言ってるのよ」 男「…」 何ですかコイツは。 ツン「…連れていきなさいよ」 男「はい?」 ツン「目の前で苦しそうにしてる女の子が居て、話かけるような人ならまさかこのまま私を置いていかないわよね?」 男「…」 ツン「だから、私を私の病室に連れていきなさい」 男「何で俺が…」 ツン「早く」 男「…へいへい」 俺、ヘタレ。 解ってた。 ツン「あ…べ、別にアンタじゃなくても誰でも良かったのよ」 さいですか。 男「…で、だ」 ツン「何よ?」 男「何故、居る?」 ツン「…何故?」 男「俺に聞くな」 ツン「何となくよ」 男「何となく…ってお前ただ病室に連れていっただけで、男の病室に来るなよ」 ツン「お前はやめて」 男「はい?」 ツン「お前はやめてって言ったのよ」 男「…何でだよ?」 ツン「嫌だから。そうね…ツンと呼んで」 男「それは良いが…」 ツン「あ、さっきの話だけど」 男「は?」 ツン「何となくっていうのは嘘。たまたま歩いてた、年の近そうな貴方を使ったのよ」 男「…さいですか…あ、俺も男で良いよ」 ツン「…よろしく、男君」 ツン「あ、さっきのは本当よ。たまたまだからね、たまたま」 ツン「(痛い痛い痛い痛い痛い痛い!)」 男「おい」 ツン「な、何」 男「…いや、後ろから見て苦しそうに見えたから」 ツン「大丈夫よ、どうしたのよ」 男「勘違いみたいだったから良いよ。無視するとツンにまたゴチャゴチャ言われるからな…」 ツン「わ、悪かったわね…」 男「別に悪いなんて言ってないぜ?」 ツン「…っ、当たり前でしょ。たまたまでも私に選ばれたんだから気にかけて当然よ!!(気にしてくれてるんだ…)」 男「…そういうと思ったよ」 男「…」 ツン「…」 男「…」 ツン「…」 男「おい」 ツン「なによ?」 男「何故俺の部屋で本を読む?」 ツン「ひ、日当たりが良いからよ」 男「自分の部屋でカーテン開けろよ」 ツン「…こ、こっちの部屋の方が良いの(/////)」 男「そうですかい」 もはや、何も言うまい。 男「んあー」 ツン「…何やってんの?」 男「そりゃ、お前…じゃなかった…ツンさん。こんな天気が良い日は屋上でマッタリひなたぼっこですよ」 ツン「気持ち良い?」 男「そりゃ…何処まで行っても人間は自然の中で生きてるんだからな」 ツン「…そうね」 ボサッ。 男「…汚ねぇぞ?」 ツン「そうね」 男「…まぁ良いけど」 ツン「…ちょっと」 男「ん?」 ツン「ちょっとだけ男が見た景色が見たかったのよ」 男「そっか」 ツン「そうよ」 ツン「ねぇ?」 男「何だよ?」 ツン「本買ってきてくれない?」 男「はぁ?俺も病人だぞ?」 ツン「べ、別にアンタじゃなくても…いいんだけどね」 男「だろ?看護師にでも無理言って頼めよ」 ツン「でも!」 男「…?」 ツン「どうせ無理言うなら、ちょうど近くにいるし男が良いと…思ったのよ…」 男「(…)解ったよ。行きゃ良いんだろ。」 ツン「べ、別に本当に男じゃなくても…」 男「良いよ、ツンのためなら仕方ないってことにしとく」 ツン「(////)」 \♪雪が気持ちを伝えてくれるまで ♪夏を楽しんでいよう ♪きっと想いは叶うから ♪海に願った恋が、雪となって降り注ぐ ♪それを愛と呼びましょう 男「…」 ツン「何この曲?」 男「解んね…けどテレビで歌ってるぐらいだから流行りなんじゃないか?」 ツン「なんか…」 男「なんか綺麗なだけの言葉ばっかりだな…実際こんなに恋愛が上手く行くわけないと思わないか?」 ツン「…………………………そうね」 今日は借りてた本を返しに来ました。 男「入るぞ…」 ツン「まっ…!」 男「え?」 ツン「…」 男「…」 バッタリ。 ツン「…とりあえず出ていきなさい」 男「…はい」 殺される? 死亡ふらぐ? でも、黒か…。 ガンプクガンプク。 だって黒だぜ? 男「今日はこれで一撃かますか…」 ツン「入っていいわよ」 男「…」 ツン「…」 男「(怖ぇぇぇ…でも本気で謝っておけば何とか許してくれるかも…)」 ツン「ま」男「いや、もう本当に俺が悪かったていうか謝る以外に何も出来ない、ちゃんと見てはないし色を確認する前に出たからマジで今回は許して欲しいなぁなんて思ってみたりするんだけど」 ツン「…」 男「…(駄目か?)」 ツン「ねぇ?」 男「はい!」 ツン「今日はいてたのってちょっとだけ穴が開いてなかった?」 男「は?別に無かっただろ?第一黒のレース付きなんだから自分で確認でき…」 あ。 ツン「ふーん?」 男「あ、あわわわわわわわわ」 男「ほら今のは妄想で言ったわけで…」 ツン「出てけ」 男「…はい」 うぅ…。 バタン。 ツン「…変に謝らなきゃ許してあげたのに…と、いうか見られても良かったのに…(//)」 男「あの…」 ツン「…」 男「ツンさん…」 ツン「…」 男「ドアとか開けてもらえると有難いんですけど」 ツン「…おでん」 男「…はい?」 ツン「…おでんが食べたくなったから、買ってきたら入れてあげる…」 男「そ、それで許してくれるか!」 ツン「え、えぇ…」 男「よし、買ってくる待ってろ!」 ツン「…私って本当に素直じゃないなぁ…」 男「…あれ?でも何で俺本気で許して貰いたがってんだろ?」 コレは始まり。 終りの始まり。 医者「…残念ですが…」 男母「…そんな…!」 医者「…ご本人には伝えますか?」 男母「……あの子はまだ若いですし…あと一年も余命があるなら、残り少なくなるまで何も知らずに生活させてあげたいんです。」 医者「幸い、男くんの病気というのは末期になるまで症状をかなり薬で抑えられるんですよ。本人に気付かれずにいることは容易なのですが…本当によろしいですか?」 男母「私の勝手な判断ですから…あの子には可哀想ですけど、そうしてあげてくれますか?」 医者「はい…解りました」 医者「調子はどう?」 ツン「大丈夫です」 医者「…そう(かなり悪くなっているな…気丈なものだ…)」 ツン「…」 医者「ん?どうかしたかな?」 ツン「…私は…」 医者「ん?」 ツン「あと何ヵ月生きられますか?」 医者「…」 ツン「半年前は一年と数ヵ月程度と聞きました」 医者「…君は強いね」 ツン「…」 医者「…半年だ」 ツン「…!」 医者「若い子に余命の宣告なんか普通しないが…君は自分で気付いて覚悟を持って聞いたからね」 ツン「…そうですか」 ツン「…半年…」 医者「誤差はあれ、このまま症状が進めば、間違いない…ね」 ツン「もっと強い薬を使えば?」 医者「多少は延びる。だが当然代償は大きいよ」 ツン「副作用ですか」 医者「髪が抜け落ちる、体力が落ちる、免疫低下による二次感染」 医者「今のままの薬なら副作用はほとんどないけどね…どうする?」 ツン「…考えてみます」 医者「…あくまで気休めにしかならないってことも覚えておいて。今薬を変えても、数ヵ月生きられるだけだよ」 ツン「…失礼しました…」 医者「…あんなに良い子が…。命の前には医者なんて小さなもんだな…」 ツン「(私が…あと半年…!嫌だ、もっと居たい。やっと…やっと好きな人が出来たのに…!)」 男「おい?」 ツン「(…嫌だ…私はまだ素直になって何も言えてない!)」 男「…うりゃ」 ツン「いやぁ!」 男「のわっ!」 ツン「…!何すんのよ!!」 男「いやボーっとしてるから髪引っ張ってみたんだが」 ツン「…私が悩んでるって時に男ってば…!!」 ひっぱたく!! 男「何を悩んでいたのか知らないが…」 ツン「…」 男「ツンの髪って引っ張ってみたくなるんだよなぁ…綺麗じゃん」 ツン「!」 男「いや、病人なのに金髪カールで艶があって…本当にすごいよなぁ…」 ツン「…な、何をいきなり…」 男「ん?いや、ただ単にツンの髪が好きなだけだが…」 ツン「(好き…)」 ツン「(好き?)」 ツン「(好きですって!!)」 ツン「ば、ば、バカじゃないの!!何をいきなり…」 男「え、いや俺は」 ツン「も、もういいわよ!!馬鹿!!!」 …少しでも男が望む私でいられるなら。 ツン「先生!」 医者「うわぁ!」 ツン「先生、私決めました!」 医者「な、何だい?さっき出ていってから一時間ほどしか…」 ツン「私、このまま薬を変えません!」 医者「…君が決めたことなら、医者として反対はしないけど…またいきなりだね」 ツン「知りたいですか?理由?」 医者「聞きたいかな?」 ツン「そうですね…」 ツン「教えません♪」 男「大丈夫か?」 ツン「ん。大丈夫よ」 男「なら良いが…」 ツン「だ、誰だって良いのをわざわざ貴方を選んであげたんだから!黙って男は肩を貸してくれれば良いの!」 男「…まぁなんかマシュマロ物体が体に当たってるけどな?」 ツン「はぇ?」 男「…C上か…」 ツン「…死ね♪」 男「え…」 足払い。 男「いってぇぇぇぇ!!!病人が足払いするなよ!!!!」 ツン「うっさい!」 男「良いじゃん…減るもんじゃないだろう…ちょっとぐらい役得があっても罰当たらないだろうに…」 ツン「D…」 男「はい?」 ツン「Dあるわよ…」 男「え?」 ツン「男の馬鹿!大嫌い!!」 男「ちょ…!」 ドガン!!!(ドア閉) 男「あれ?俺最低?」 男「ふぅ…」 ツン「へぇ…ここの病院、海がけっこう近いんのね」 男「あぁ…院長が海が好きだから…らしいぞ?」 男「(実際…最期の時を海の近くで過ごしたい…なんて患者が多いからだろうな…)」 ツン「海か…」 男「ツンは海が好きなのか?」 ツン「うん」 男「…そっか」 ミーンミーンミーンミーンミーンミーン 男「ようやく梅雨が明けたと思ったら…」 ツン「空調効いてる病室で、男ったら文句ばっかり…」 男「待てツン。耳を澄ましてセミの声だけ聞いてみろ?」 ツン「?」 ミーンミーンミーンミーンミーンミーン ツン「…」 男「…」 ミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーン ツン「気持ちがよく解ったわ」 男「解ってくれたなら嬉しいよ」 ツン「でも男に共感したんじゃないわ、ただ私も理解出来ただけ!とっとと宿題とレポート終わらせるのよ!」 男「…うはぁい」 ツン「ちゃんと喋りなさい」 男「はい」 男「七夕か…」 ツン「小学生卒業したあたりから、全く縁がないわね」 男「子供達は、楽しそうな事だな…」 ツン「病院でもイベントはあるからね」 男「なぁ?」 ツン「何よ?」 男「久しぶりに童心に帰ってみないか?」 ツン「…ま、まぁ男がどうしてもって言うなら付き合ってあげるわよ?」 男「どうしても」 ツン「仕方ないわね」 男「ほい、紙」 ツン「願い事か…」 男「何て書く?」 ツン「…言ったら意味が無いでしょ、バカ」 男「…それもそうか」 …。 男・ツン「書けた!」 男「お互い見えないように、別の笹に吊しとくか」 ツン「お互い秘密ね」 キュッ。 願いが叶いますように。 男「暇だ…」 ツン「さすがにね」 男「夏休みの宿題はあらかた終わらせたし、レポートは書いたし」 男「ツンのせいだな」ツン「おかげ」 男「はい、ツンさまのおかげですね」 ツン「病院から出るわけには行かないし」 男「…!」 ツン「?」 男「外出許可貰えないか?」 ツン「両方共病人なんだから無理でしょ…」 男「文句はやってから言うもんだぜ」 10分後 男「取れた…」 ツン「えぇ!」 男「いや、なんか医者が出てきて二、三点口出ししたらあっさりと…まぁ明日だけだけども」 ツン「…(先生)」 男「なぁ?」 ツン「なに?」 男「これって、デートだよな?」 ツン「!!!(////)」 男「あー楽しみだな明日!」 ツン「ば」 男「ば?」 ツン「バカじゃないの!変な事言ってないで明日に向けて早く寝なさいよ!…もう本当に男はバカなことばっかり…!(////////)」 男「ちょ!」 男「いっちまった」 男「罵られたけど、結局自分も来るんだろ…?意味わかんねぇ…」 ツン「あ、飛行機雲」 男「お、真っ直ぐだな」 ツン「ほら、これ見て!綺麗な貝殻!」 男「はしゃぐなはしゃぐな病人」 ツン「何よ…自分だって病人でしょ」 男「…間違い無い」 ツン「濡れなきゃ大丈夫よ!ほらっ」 男「おい!走るなって!」 …こんなはしゃぐならもっと早く連れてくりゃ良かったかな。 ツン「ほら、早く」 男「あい」 ツン「…何よ!来なくていいのよっ!」 男「行きますよ」 ツン「…むぅ」 男「おりゃ」 ツン「キャア!」 こけないように背中を手を出して支えて、こかす。 男「ほらー?はしゃぐと転びますよ?」 ツン「…うぅ…バカっ!」 男「うはは」 ツン「(えい!)」 チュッ ツン「…隙あり」 男「…」 …え? …はい? 男「ツンさん?」 ツン「(///////)」 男「…」 ツン「仕返し」 男「(……)」 ツン「し、仕返しよ!別に意味んっ…!」 遮ってみた。 男「俺も仕返し」 ツン「…(///////)」 おぉ…トマトが更に真っ赤に…。 ツン「バカっ!アホッ!死ねぇ!」 そんな笑顔で泣きながら言われても。 男「…」 ツン「…」 男・ツン「あ」 男「ツンから…」 ツン「いや男から」 男・ツン「す」 男・ツン「うぅ…」 屋上から望遠鏡。 実は男の服に盗聴機。 患者A「おい、誰かアイツラどついてこい」 医者「気持ちは解りますよ…」 患者B「何故にキスした後に告白」 患者C「同じ病人の男でもキスしてるのにおまえらと来たら…」 男「ツン聞いてくれ」 ツン「うん…」 ブツッ…。 患者A「うわ!これからが良い所なのに、何するんだよ先生!」 医者「これ以上の干渉はヤボというものですよ?」 看護師「…仕事さぼって、医者が言う台詞ではないですね?」 医者「いっ!」 看護師「…」 医者「か、回診行ってきます」 看護師「あなたたちもくだらないことやってないで、病室に帰って下さい」 患者全「うはぁい…」 そう。 二人の告白は海だけが聞いていた。 ツン「男と恋人♪」 ツン「男と恋人♪」 ツン「男と恋びっ」 ゲホッ。 血。 男「おい、入るぞ」 ツン「ちょ、ちょっと待って!着替えてるから中に入ったら前と同じことするわよ!」 男「なに…それは見たい…じゃなかった、解った」 ツン「手を洗って…と。シーツを見えないようにまくって。」 ツン「よし」 ツン「入りなさいよ」 男「終わった?」 ツン「ん、着替えた」 男「(服変わってないけどな…?)」 ツン「何?」 男「いや?彼女に会いに来るのに、理由なんているか?」 ツン「彼女…♪」 男「なんだ、嬉しいのか?」 ツン「バカじゃないの?う、嬉しいわ…ょ…(////)」 男「でもさ」 ツン「何?」 男「最近痩せすぎてないか?」 ツン「!」 男「病人が病人労るのも変な話だが、もうちょい…」 ツン「男は痩せすぎてると嫌?」 男「別に?」 ツン「病人で痩せすぎてるような子より、健康な子が良いよね」 男「どうした、いきなり?」 ツン「私なんて…」 少しだけ血の臭いのする手。 ツン「ふぇ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」 男「ちょ、ちょっと待てよ!何か俺が…」 …。 男「よしよし」 ツン「くっ…ひくっ…」 男「(思い出せ…俺に落ち度は無かったか………ってない…よな?…わからねぇ…)」 ツン「ねぇ…っ!」 男「ん?」 ツン「私で良いの?」 男「?」 ツン「本当に、本当に私で良いの?」 男「…」 ツン「ねぇ…」 男「俺さ、最初この女なんて自分勝手な奴なんだろうって思ったんだよ」 ツン「…」 男「お前って言うと怒るし…。基本感謝の言葉は無いし…。」 ツン「…」 男「でもさ、上手く言えないけどさ」 男「きっとこれからも説明できないけどさ」 男「好きだよ、ツン」 ツン「う」 ツン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 まだ泣くのか…。 男「仕方ねぇ、泣かせてやるか」 男「ふぅ…」 ようやく帰れた。 男「あれから消灯ギリギリまで泣きっぱなしだからなぁ…」 男「ねみぃ…」 (しかし…今日のツンは妙だったな…) 医者「や」 男「せ、先生…どうしたんですか?消灯の時間なのに…」 医者「僕は医者だよ?そしてここは病室だよ?」 男「ま、そりゃそうですが」 医者「…君に話がある…」 男「?」 医者「…人が居る」 男「???」 医者「明日昼の12時に屋上に来て貰えるかな?」 男「?はい」 医者「ある意味…一番君が不幸かもしれないな」 男「…?どういういみです?」 医者「いや、何でもないよ」 男「はぁ…?」 医者「それじゃ、必ず来てね」 男「はい、解りました」 医者「こんにちは男くん」 男「こんにちは」 ???「…はじめまして」 そこには金髪の超絶美人が立っていた。 ツン母「ツンの母です…」 男「は、始めまして」 医者「この人が、男くんに是非話しておきたいことがあるって」 医者「僕は席を外すよ」 ツン母「いえ…居ていただけますか?」 医者「…かまいませんが…」 …? ツン母「自己紹介はかまいませんよ?ツンから毎日のように貴方のことを聞かされていますから」 男「…はぁ」 ツン母「恋人であることも」 男「そ、そんなことまで…」 ツン母「キスまでしたとか」 男「…う」 ツン母「今のは、ひっかけです」 男「(…この人、性格悪ぃぃ)」 ツン母「…失礼な」 男「え?」 ツン母「いえ、何でもありません」 ツン母「今日はツンの恋人である貴方にお話があります」 ツン母「…ツンの病気の事です」 男「なっ…!」 ツン母「…此れだけでも、何が言いたいのか解りますか」 男「…まさか…」 ツン母「そのまさか」 ツン母「気を確かに聞いて下さい」 男「(嘘だろ…)」 ツン母「ツンの病気は治りません…本人には言っていませんが手術で五年ほど延ばせる『かもしれない』」 ツン母「それだけです…余命はあと、五ヶ月ほど」 俺は立てているか? この足は誰の足だ? 震えてばかりいる。 この心臓はなんだ。 狂ったように…早く脈を打っていやがる。 男「(今八月の頭だぞ…12月には、死ぬ…ツンが…?)」 これは悪い夢じゃないのか? ツン母「現実です」 ツン母「これが…揺るぎようのない現実なんですよ」 男「…親の貴方がこんな嘘をつくとは思っていません」 男「ただ…何故こんな事を俺に?」 ツン母「知らずにいるよりは、知っておいた方が良いでしょう」 ツン母「たとえそれが貴方が苦しむ選択だとしても、あの子のために」 男「…」 ツン母「…それに、あの子は自分の余命を知っているのですよ」 男「…教えたんですか!?」 ツン母「子の余命を簡単に宣告できる親なんていやしません」 ツン母「あの子は聡いですから、自分で調べて先生に聞いたのでしょう」 男「ツンからは直接…?」 ツン母「親の私が気付かないわけがありませんよ」 ツン母「だが、自分の余命を知っている者はいないとツンは思い、演技している」 男「それを最大限尊重したい…?」 ツン母「はい、決してバレないようにお願いします」 男「なら最初から俺に教えなければ良いでしょう!」 ツン母「それは…アンフェアですよ」 男「…」 ツン母「問います」 男「…はい」 来る問に予想はついていた。 ツン母「貴方は、ツンを愛していますか?」 上手く言えないけど。 男「命の限りに」 ツン母「ならば、知っておくべきです。愛するというのなら、なおのこと」 男「…」 ツン母「…私から申しあげたいことはもうありません」 男「ふ、普通バレないために忘れろとか別れろとか言いませんか…?」 ツン母「若くとも、男性の決断に口を挟むのはヤボでしょう?それとも相手の母親に言われた程度で『命の限りに』は揺るいでしまうのですか?」 男「…いえ」 男「…ツンといい、お母さんといい…強いですね」 ツン母「ツン家の女は強いんですよ?」 …ツン母が帰って。 医者「…辛かったね」 男「当人と親が泣いていないんです…辛がる権利だってない」 男「俺は今までのように、全力で愛するだけです」 医者「若いねぇ…」 男「…先生はこういう恋をしたことありますか?」 医者「無いよ」 男「…」 医者「無い」 男「…」 医者「ほら、待ってるんじゃないか?ツンちゃんの所に行ってあげなよ」 男「あ、はい!」 医者「(彼はこれから無力さを嘆くんだ)」 明き人氏の長編後編へ
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そう、僕達が出会ったのは嘘みたいな偶然の必然だったんだ。 医者「入院ですね」 男「…本当ですか?」 医者「はい、有無を言わさず入院です」 男「そうですか…」 母(ま、ちょっとだけ早い夏休みと思ってのんびりしなさい) 男「簡単に言ってくれるよ…こっちは勉強が遅れるってのに」 そんなわけで、俺は今病室に向かっています。 男「…あれ?」 金髪カールの気の強そうな女の子が壁にもたれかかって苦しそうだ…。 * 男「大丈夫か?」 ツン「…」 男「…無視ですか」 ツン「…」 男「そりゃ赤の他人だけど、親切心で話かけてるのに…」 ツン「うるさいわね」 男「…え」 ツン「うるさいって言ってるのよ」 男「…」 何ですかコイツは。 ツン「…連れていきなさいよ」 男「はい?」 ツン「目の前で苦しそうにしてる女の子が居て、話かけるような人ならまさかこのまま私を置いていかないわよね?」 男「…」 ツン「だから、私を私の病室に連れていきなさい」 男「何で俺が…」 ツン「早く」 男「…へいへい」 俺、ヘタレ。 解ってた。 ツン「あ…べ、別にアンタじゃなくても誰でも良かったのよ」 さいですか。 * 男「…で、だ」 ツン「何よ?」 男「何故、居る?」 ツン「…何故?」 男「俺に聞くな」 ツン「何となくよ」 男「何となく…ってお前ただ病室に連れていっただけで、男の病室に来るなよ」 ツン「お前はやめて」 男「はい?」 ツン「お前はやめてって言ったのよ」 男「…何でだよ?」 ツン「嫌だから。そうね…ツンと呼んで」 男「それは良いが…」 ツン「あ、さっきの話だけど」 男「は?」 ツン「何となくっていうのは嘘。たまたま歩いてた、年の近そうな貴方を使ったのよ」 男「…さいですか…あ、俺も男で良いよ」 ツン「…よろしく、男君」 ツン「あ、さっきのは本当よ。たまたまだからね、たまたま」 * ツン「(痛い痛い痛い痛い痛い痛い!)」 男「おい」 ツン「な、何」 男「…いや、後ろから見て苦しそうに見えたから」 ツン「大丈夫よ、どうしたのよ」 男「勘違いみたいだったから良いよ。無視するとツンにまたゴチャゴチャ言われるからな…」 ツン「わ、悪かったわね…」 男「別に悪いなんて言ってないぜ?」 ツン「…っ、当たり前でしょ。たまたまでも私に選ばれたんだから気にかけて当然よ!!(気にしてくれてるんだ…)」 男「…そういうと思ったよ」 * 男「…」 ツン「…」 男「…」 ツン「…」 男「おい」 ツン「なによ?」 男「何故俺の部屋で本を読む?」 ツン「ひ、日当たりが良いからよ」 男「自分の部屋でカーテン開けろよ」 ツン「…こ、こっちの部屋の方が良いの(/////)」 男「そうですかい」 もはや、何も言うまい。 * 男「んあー」 ツン「…何やってんの?」 男「そりゃ、お前…じゃなかった…ツンさん。こんな天気が良い日は屋上でマッタリひなたぼっこですよ」 ツン「気持ち良い?」 男「そりゃ…何処まで行っても人間は自然の中で生きてるんだからな」 ツン「…そうね」 ボサッ。 男「…汚ねぇぞ?」 ツン「そうね」 男「…まぁ良いけど」 ツン「…ちょっと」 男「ん?」 ツン「ちょっとだけ男が見た景色が見たかったのよ」 男「そっか」 ツン「そうよ」 * ツン「ねぇ?」 男「何だよ?」 ツン「本買ってきてくれない?」 男「はぁ?俺も病人だぞ?」 ツン「べ、別にアンタじゃなくても…いいんだけどね」 男「だろ?看護師にでも無理言って頼めよ」 ツン「でも!」 男「…?」 ツン「どうせ無理言うなら、ちょうど近くにいるし男が良いと…思ったのよ…」 男「(…)解ったよ。行きゃ良いんだろ。」 ツン「べ、別に本当に男じゃなくても…」 男「良いよ、ツンのためなら仕方ないってことにしとく」 ツン「(////)」 * \♪雪が気持ちを伝えてくれるまで ♪夏を楽しんでいよう ♪きっと想いは叶うから ♪海に願った恋が、雪となって降り注ぐ ♪それを愛と呼びましょう 男「…」 ツン「何この曲?」 男「解んね…けどテレビで歌ってるぐらいだから流行りなんじゃないか?」 ツン「なんか…」 男「なんか綺麗なだけの言葉ばっかりだな…実際こんなに恋愛が上手く行くわけないと思わないか?」 ツン「…………………………そうね」 今日は借りてた本を返しに来ました。 男「入るぞ…」 ツン「まっ…!」 男「え?」 ツン「…」 男「…」 バッタリ。 ツン「…とりあえず出ていきなさい」 男「…はい」 殺される? 死亡ふらぐ? でも、黒か…。 ガンプクガンプク。 だって黒だぜ? 男「今日はこれで一撃かますか…」 ツン「入っていいわよ」 男「…」 ツン「…」 男「(怖ぇぇぇ…でも本気で謝っておけば何とか許してくれるかも…)」 ツン「ま」男「いや、もう本当に俺が悪かったていうか謝る以外に何も出来ない、ちゃんと見てはないし色を確認する前に出たからマジで今回は許して欲しいなぁなんて思ってみたりするんだけど」 ツン「…」 男「…(駄目か?)」 ツン「ねぇ?」 男「はい!」 ツン「今日はいてたのってちょっとだけ穴が開いてなかった?」 男「は?別に無かっただろ?第一黒のレース付きなんだから自分で確認でき…」 あ。 ツン「ふーん?」 男「あ、あわわわわわわわわ」 男「ほら今のは妄想で言ったわけで…」 ツン「出てけ」 男「…はい」 うぅ…。 バタン。 ツン「…変に謝らなきゃ許してあげたのに…と、いうか見られても良かったのに…(//)」 * 男「あの…」 ツン「…」 男「ツンさん…」 ツン「…」 男「ドアとか開けてもらえると有難いんですけど」 ツン「…おでん」 男「…はい?」 ツン「…おでんが食べたくなったから、買ってきたら入れてあげる…」 男「そ、それで許してくれるか!」 ツン「え、えぇ…」 男「よし、買ってくる待ってろ!」 ツン「…私って本当に素直じゃないなぁ…」 男「…あれ?でも何で俺本気で許して貰いたがってんだろ?」 コレは始まり。 終りの始まり。 * 医者「…残念ですが…」 男母「…そんな…!」 医者「…ご本人には伝えますか?」 男母「……あの子はまだ若いですし…あと一年も余命があるなら、残り少なくなるまで何も知らずに生活させてあげたいんです。」 医者「幸い、男くんの病気というのは末期になるまで症状をかなり薬で抑えられるんですよ。本人に気付かれずにいることは容易なのですが…本当によろしいですか?」 男母「私の勝手な判断ですから…あの子には可哀想ですけど、そうしてあげてくれますか?」 医者「はい…解りました」 医者「調子はどう?」 ツン「大丈夫です」 医者「…そう(かなり悪くなっているな…気丈なものだ…)」 ツン「…」 医者「ん?どうかしたかな?」 ツン「…私は…」 医者「ん?」 ツン「あと何ヵ月生きられますか?」 医者「…」 ツン「半年前は一年と数ヵ月程度と聞きました」 医者「…君は強いね」 ツン「…」 医者「…半年だ」 ツン「…!」 医者「若い子に余命の宣告なんか普通しないが…君は自分で気付いて覚悟を持って聞いたからね」 * ツン「…そうですか」 ツン「…半年…」 医者「誤差はあれ、このまま症状が進めば、間違いない…ね」 ツン「もっと強い薬を使えば?」 医者「多少は延びる。だが当然代償は大きいよ」 ツン「副作用ですか」 医者「髪が抜け落ちる、体力が落ちる、免疫低下による二次感染」 医者「今のままの薬なら副作用はほとんどないけどね…どうする?」 ツン「…考えてみます」 医者「…あくまで気休めにしかならないってことも覚えておいて。今薬を変えても、数ヵ月生きられるだけだよ」 ツン「…失礼しました…」 医者「…あんなに良い子が…。命の前には医者なんて小さなもんだな…」 * ツン「(私が…あと半年…!嫌だ、もっと居たい。やっと…やっと好きな人が出来たのに…!)」 男「おい?」 ツン「(…嫌だ…私はまだ素直になって何も言えてない!)」 男「…うりゃ」 ツン「いやぁ!」 男「のわっ!」 ツン「…!何すんのよ!!」 男「いやボーっとしてるから髪引っ張ってみたんだが」 ツン「…私が悩んでるって時に男ってば…!!」 ひっぱたく!! * 男「何を悩んでいたのか知らないが…」 ツン「…」 男「ツンの髪って引っ張ってみたくなるんだよなぁ…綺麗じゃん」 ツン「!」 男「いや、病人なのに金髪カールで艶があって…本当にすごいよなぁ…」 ツン「…な、何をいきなり…」 男「ん?いや、ただ単にツンの髪が好きなだけだが…」 ツン「(好き…)」 ツン「(好き?)」 ツン「(好きですって!!)」 ツン「ば、ば、バカじゃないの!!何をいきなり…」 男「え、いや俺は」 ツン「も、もういいわよ!!馬鹿!!!」 …少しでも男が望む私でいられるなら。 ツン「先生!」 医者「うわぁ!」 ツン「先生、私決めました!」 医者「な、何だい?さっき出ていってから一時間ほどしか…」 ツン「私、このまま薬を変えません!」 医者「…君が決めたことなら、医者として反対はしないけど…またいきなりだね」 ツン「知りたいですか?理由?」 医者「聞きたいかな?」 ツン「そうですね…」 ツン「教えません♪」 * 男「大丈夫か?」 ツン「ん。大丈夫よ」 男「なら良いが…」 ツン「だ、誰だって良いのをわざわざ貴方を選んであげたんだから!黙って男は肩を貸してくれれば良いの!」 男「…まぁなんかマシュマロ物体が体に当たってるけどな?」 ツン「はぇ?」 男「…C上か…」 ツン「…死ね♪」 男「え…」 足払い。 男「いってぇぇぇぇ!!!病人が足払いするなよ!!!!」 ツン「うっさい!」 男「良いじゃん…減るもんじゃないだろう…ちょっとぐらい役得があっても罰当たらないだろうに…」 ツン「D…」 男「はい?」 ツン「Dあるわよ…」 男「え?」 ツン「男の馬鹿!大嫌い!!」 男「ちょ…!」 ドガン!!!(ドア閉) 男「あれ?俺最低?」 * 男「ふぅ…」 ツン「へぇ…ここの病院、海がけっこう近いんのね」 男「あぁ…院長が海が好きだから…らしいぞ?」 男「(実際…最期の時を海の近くで過ごしたい…なんて患者が多いからだろうな…)」 ツン「海か…」 男「ツンは海が好きなのか?」 ツン「うん」 男「…そっか」 * ミーンミーンミーンミーンミーンミーン 男「ようやく梅雨が明けたと思ったら…」 ツン「空調効いてる病室で、男ったら文句ばっかり…」 男「待てツン。耳を澄ましてセミの声だけ聞いてみろ?」 ツン「?」 ミーンミーンミーンミーンミーンミーン ツン「…」 男「…」 ミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーンミーン ツン「気持ちがよく解ったわ」 男「解ってくれたなら嬉しいよ」 ツン「でも男に共感したんじゃないわ、ただ私も理解出来ただけ!とっとと宿題とレポート終わらせるのよ!」 男「…うはぁい」 ツン「ちゃんと喋りなさい」 男「はい」 * 男「七夕か…」 ツン「小学生卒業したあたりから、全く縁がないわね」 男「子供達は、楽しそうな事だな…」 ツン「病院でもイベントはあるからね」 男「なぁ?」 ツン「何よ?」 男「久しぶりに童心に帰ってみないか?」 ツン「…ま、まぁ男がどうしてもって言うなら付き合ってあげるわよ?」 男「どうしても」 ツン「仕方ないわね」 男「ほい、紙」 ツン「願い事か…」 男「何て書く?」 ツン「…言ったら意味が無いでしょ、バカ」 男「…それもそうか」 …。 男・ツン「書けた!」 男「お互い見えないように、別の笹に吊しとくか」 ツン「お互い秘密ね」 キュッ。 願いが叶いますように。 * 男「暇だ…」 ツン「さすがにね」 男「夏休みの宿題はあらかた終わらせたし、レポートは書いたし」 男「ツンのせいだな」ツン「おかげ」 男「はい、ツンさまのおかげですね」 ツン「病院から出るわけには行かないし」 男「…!」 ツン「?」 男「外出許可貰えないか?」 ツン「両方共病人なんだから無理でしょ…」 男「文句はやってから言うもんだぜ」 * 10分後 男「取れた…」 ツン「えぇ!」 男「いや、なんか医者が出てきて二、三点口出ししたらあっさりと…まぁ明日だけだけども」 ツン「…(先生)」 男「なぁ?」 ツン「なに?」 男「これって、デートだよな?」 ツン「!!!(////)」 男「あー楽しみだな明日!」 ツン「ば」 男「ば?」 ツン「バカじゃないの!変な事言ってないで明日に向けて早く寝なさいよ!…もう本当に男はバカなことばっかり…!(////////)」 男「ちょ!」 男「いっちまった」 男「罵られたけど、結局自分も来るんだろ…?意味わかんねぇ…」 * ツン「あ、飛行機雲」 男「お、真っ直ぐだな」 ツン「ほら、これ見て!綺麗な貝殻!」 男「はしゃぐなはしゃぐな病人」 ツン「何よ…自分だって病人でしょ」 男「…間違い無い」 ツン「濡れなきゃ大丈夫よ!ほらっ」 男「おい!走るなって!」 …こんなはしゃぐならもっと早く連れてくりゃ良かったかな。 ツン「ほら、早く」 男「あい」 ツン「…何よ!来なくていいのよっ!」 男「行きますよ」 ツン「…むぅ」 男「おりゃ」 ツン「キャア!」 こけないように背中を手を出して支えて、こかす。 男「ほらー?はしゃぐと転びますよ?」 * ツン「…うぅ…バカっ!」 男「うはは」 ツン「(えい!)」 チュッ ツン「…隙あり」 男「…」 …え? …はい? 男「ツンさん?」 ツン「(///////)」 男「…」 ツン「仕返し」 男「(……)」 ツン「し、仕返しよ!別に意味んっ…!」 遮ってみた。 男「俺も仕返し」 ツン「…(///////)」 おぉ…トマトが更に真っ赤に…。 ツン「バカっ!アホッ!死ねぇ!」 そんな笑顔で泣きながら言われても。 * 男「…」 ツン「…」 男・ツン「あ」 男「ツンから…」 ツン「いや男から」 男・ツン「す」 男・ツン「うぅ…」 屋上から望遠鏡。 実は男の服に盗聴機。 患者A「おい、誰かアイツラどついてこい」 医者「気持ちは解りますよ…」 患者B「何故にキスした後に告白」 患者C「同じ病人の男でもキスしてるのにおまえらと来たら…」 * 男「ツン聞いてくれ」 ツン「うん…」 ブツッ…。 患者A「うわ!これからが良い所なのに、何するんだよ先生!」 医者「これ以上の干渉はヤボというものですよ?」 看護師「…仕事さぼって、医者が言う台詞ではないですね?」 医者「いっ!」 看護師「…」 医者「か、回診行ってきます」 看護師「あなたたちもくだらないことやってないで、病室に帰って下さい」 患者全「うはぁい…」 そう。 二人の告白は海だけが聞いていた。 * ツン「男と恋人♪」 ツン「男と恋人♪」 ツン「男と恋びっ」 ゲホッ。 血。 男「おい、入るぞ」 ツン「ちょ、ちょっと待って!着替えてるから中に入ったら前と同じことするわよ!」 男「なに…それは見たい…じゃなかった、解った」 ツン「手を洗って…と。シーツを見えないようにまくって。」 ツン「よし」 ツン「入りなさいよ」 男「終わった?」 ツン「ん、着替えた」 男「(服変わってないけどな…?)」 * ツン「何?」 男「いや?彼女に会いに来るのに、理由なんているか?」 ツン「彼女…♪」 男「なんだ、嬉しいのか?」 ツン「バカじゃないの?う、嬉しいわ…ょ…(////)」 男「でもさ」 ツン「何?」 男「最近痩せすぎてないか?」 ツン「!」 男「病人が病人労るのも変な話だが、もうちょい…」 ツン「男は痩せすぎてると嫌?」 男「別に?」 ツン「病人で痩せすぎてるような子より、健康な子が良いよね」 男「どうした、いきなり?」 ツン「私なんて…」 少しだけ血の臭いのする手。 ツン「ふぇ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」 男「ちょ、ちょっと待てよ!何か俺が…」 …。 * 男「よしよし」 ツン「くっ…ひくっ…」 男「(思い出せ…俺に落ち度は無かったか………ってない…よな?…わからねぇ…)」 ツン「ねぇ…っ!」 男「ん?」 ツン「私で良いの?」 男「?」 ツン「本当に、本当に私で良いの?」 男「…」 ツン「ねぇ…」 男「俺さ、最初この女なんて自分勝手な奴なんだろうって思ったんだよ」 ツン「…」 男「お前って言うと怒るし…。基本感謝の言葉は無いし…。」 ツン「…」 男「でもさ、上手く言えないけどさ」 男「きっとこれからも説明できないけどさ」 男「好きだよ、ツン」 ツン「う」 ツン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 まだ泣くのか…。 男「仕方ねぇ、泣かせてやるか」 * 男「ふぅ…」 ようやく帰れた。 男「あれから消灯ギリギリまで泣きっぱなしだからなぁ…」 男「ねみぃ…」 (しかし…今日のツンは妙だったな…) 医者「や」 男「せ、先生…どうしたんですか?消灯の時間なのに…」 医者「僕は医者だよ?そしてここは病室だよ?」 男「ま、そりゃそうですが」 医者「…君に話がある…」 男「?」 医者「…人が居る」 男「???」 医者「明日昼の12時に屋上に来て貰えるかな?」 男「?はい」 医者「ある意味…一番君が不幸かもしれないな」 男「…?どういういみです?」 医者「いや、何でもないよ」 男「はぁ…?」 医者「それじゃ、必ず来てね」 男「はい、解りました」 * 医者「こんにちは男くん」 男「こんにちは」 ???「…はじめまして」 そこには金髪の超絶美人が立っていた。 ツン母「ツンの母です…」 男「は、始めまして」 医者「この人が、男くんに是非話しておきたいことがあるって」 医者「僕は席を外すよ」 ツン母「いえ…居ていただけますか?」 医者「…かまいませんが…」 …? ツン母「自己紹介はかまいませんよ?ツンから毎日のように貴方のことを聞かされていますから」 男「…はぁ」 ツン母「恋人であることも」 男「そ、そんなことまで…」 ツン母「キスまでしたとか」 男「…う」 ツン母「今のは、ひっかけです」 男「(…この人、性格悪ぃぃ)」 ツン母「…失礼な」 男「え?」 ツン母「いえ、何でもありません」 ツン母「今日はツンの恋人である貴方にお話があります」 * ツン母「…ツンの病気の事です」 男「なっ…!」 ツン母「…此れだけでも、何が言いたいのか解りますか」 男「…まさか…」 ツン母「そのまさか」 ツン母「気を確かに聞いて下さい」 男「(嘘だろ…)」 ツン母「ツンの病気は治りません…本人には言っていませんが手術で五年ほど延ばせる『かもしれない』」 ツン母「それだけです…余命はあと、五ヶ月ほど」 俺は立てているか? この足は誰の足だ? 震えてばかりいる。 この心臓はなんだ。 狂ったように…早く脈を打っていやがる。 男「(今八月の頭だぞ…12月には、死ぬ…ツンが…?)」 これは悪い夢じゃないのか? ツン母「現実です」 ツン母「これが…揺るぎようのない現実なんですよ」 * 男「…親の貴方がこんな嘘をつくとは思っていません」 男「ただ…何故こんな事を俺に?」 ツン母「知らずにいるよりは、知っておいた方が良いでしょう」 ツン母「たとえそれが貴方が苦しむ選択だとしても、あの子のために」 男「…」 ツン母「…それに、あの子は自分の余命を知っているのですよ」 男「…教えたんですか!?」 ツン母「子の余命を簡単に宣告できる親なんていやしません」 ツン母「あの子は聡いですから、自分で調べて先生に聞いたのでしょう」 男「ツンからは直接…?」 ツン母「親の私が気付かないわけがありませんよ」 ツン母「だが、自分の余命を知っている者はいないとツンは思い、演技している」 男「それを最大限尊重したい…?」 ツン母「はい、決してバレないようにお願いします」 * 男「なら最初から俺に教えなければ良いでしょう!」 ツン母「それは…アンフェアですよ」 男「…」 ツン母「問います」 男「…はい」 来る問に予想はついていた。 ツン母「貴方は、ツンを愛していますか?」 上手く言えないけど。 男「命の限りに」 ツン母「ならば、知っておくべきです。愛するというのなら、なおのこと」 男「…」 ツン母「…私から申しあげたいことはもうありません」 男「ふ、普通バレないために忘れろとか別れろとか言いませんか…?」 ツン母「若くとも、男性の決断に口を挟むのはヤボでしょう?それとも相手の母親に言われた程度で『命の限りに』は揺るいでしまうのですか?」 男「…いえ」 男「…ツンといい、お母さんといい…強いですね」 ツン母「ツン家の女は強いんですよ?」 * …ツン母が帰って。 医者「…辛かったね」 男「当人と親が泣いていないんです…辛がる権利だってない」 男「俺は今までのように、全力で愛するだけです」 医者「若いねぇ…」 男「…先生はこういう恋をしたことありますか?」 医者「無いよ」 男「…」 医者「無い」 男「…」 医者「ほら、待ってるんじゃないか?ツンちゃんの所に行ってあげなよ」 男「あ、はい!」 医者「(彼はこれから無力さを嘆くんだ)」 * 明き人氏後編へ
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個人医関連 就任方法 一定の条件を満たした者に、個人医の総括をするものから連絡が行き、話し合いの末許可が下りた場合になることができる。 闇医者ルール 請求は個人請求で切ること。 闇医者になった時点で就いている職業は存続することが出来る。 退職後は一切の職業の兼任を禁止する。 闇医者になった時点で黒市民として扱う。 ギャングに属することは禁止する。 一度闇医者になったものは運営から剥奪されない限り永続的に闇医者として生活すること。 ギャング同士の抗争以外で闇医者との蘇生や治療の予約及び契約を禁止する。 (次回蘇生する約束をする、専属契約を結ぶなど) 闇医者はギャングの抗争に自ら参加することを禁止する。 抗争に雇われた場合、抗争に加勢し発砲することを禁止する。 機関に所属している際に闇医者であることが発覚した場合は汚職とみなす。 蘇生現場を警察が目撃した場合は逃走ほう助とみなす。 相手の許可なく医療行為を行い、請求をすることを禁止します。
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【名前】茨野 シダレ 【年齢】17 【性別】女 【所属】神怪魔会 【容姿】身長148cm 眼鏡を掛けており、髪は茶色がかった灰色(地毛) 白衣を纏っているという事を除けば、通っている学校指定の衣服という常識的な服装をしている 【性格】奇想天外というか、奇をてらい過ぎて誰にも分からない発想をする子 それは連想であったり、言葉遊びであったり、全く関係無かったりとまともに取り合っていると頭が痛くなっていく しかも真面目にそう言ってる時とふざけている時があるので厄介な子 どこか独善的な所があり自分のやっている事を批判されたり邪魔されたりすればかなり不機嫌になる 【魔法】「本当の世界の代弁者」 発動すれば魔法具である手鏡から光が発せられ、その光に当たった自分の創作物に人の認識を書き換える効果を与える もし文章に光が当たった場合、認識がその文章通りに書き換わる(例 「人間は動物だ 犬も動物だ つまり人間と犬は同一の存在である」を読んだ時に、人間が犬に見え犬が人間に見えてしまう) この効果は3分(3ロール)で消えてしまうが一日で文章を理解した回数が多い場合、効果時間は伸びていく(一日で理解した回数÷2+3=効果時間) 魔法の効果かは分からないが、この手鏡をシダレが覗くとシダレは映らず、犬の外見をした化け物が映る その化け物とシダレは会話出来るらしいが真偽は不明 【得物】鉄製のバット 【SV】「おお! 君が新人君か! 我の名前は茨野シダレ! 高校生だが君よりセンパイだ!とりあえず、我の絵でも見て親睦でも深めよう!」「やあっ! ふあっ! はぁ...はぁ... その目はなんだ! か弱い女の子が武器を扱い慣れてる訳無いだろう!」「ぬぅ.. どうする私よ.. ふむ? 次は私の町の絵を書けとな? それを出展... ほう!面白そうだな!」
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村企画 ―――― 参加者には高額報酬お支払いします。 他の要望も要相談 ―――― それは、危険な仕事、怪しげな仕事ばかりの求人情報誌に掲載されていた。 求人要項は健康な男性で18~50才まで、 今回応募した理由を詳細明記の上とのこと…… それは、ある医者が募集したもの。 業務内容こそ書かれてはいなかったが その医師の名前で検索すれば 有名な心理学者と経歴がわかる人物。 彼に事前にこの広告は当人か?と尋ねればYesも返ってきた。 ――実はこの募集、もともと医者が被験者を集め、 己の研究……”極限の状況に置かれた人間の心理実験”を すすめるためのものであったのだ……―― 申し込んだ参加者達の内 数人に審査通過の知らせが届く。 情報通によれば10名行くかいかないか程度、とのこと。 届いた知らせには、職場の案内が同封されていた。 同封された案内には、一週間ほど指定された日程を 指定された場所で暮らして欲しい………と、言われ出向くことになる。 指定されたのは廃病院。 流石に告知場所が告知場所だけに、完全にまっとうとは言いづらい空気。 それでも、依頼人の身元が割れているだけにどこか気楽だったかもしれない。 そこで口外厳禁の契約書にサインし、 報酬に関して契約を交わしたあと 全員が集まるか開始日まで、 他の参加者や医者と談笑していたのも束の間の出来事。 業務が開始すれば一転状況は変貌する。 医者から依頼された業務実は実験。それも「生存実験」 血で血を争う殺戮実験 そこで生き残れるかどうかを調べるのだと。 生き残ったもので報酬は山分けし……契約したもう一つの望みも叶えよう、と。 ―――こうして、己の望みをかけて、被験者たちは争い始める。 本当は、この実験が「生存実験」よりも、 趣味の悪い心理実験であることを知らされないまま…………―― 【薔薇も有る村】廃病院村(仮) [#mdba83bb] 村終了しました~ [#n3702d99] 156 廃病院での実験【@2名募集予定】 http //perjury.rulez.jp/sow.cgi?vid=156 cmd=vinfo 参加COされた方にはすでにSNSのメッセでPass送信済みです。 届いてないよー、と言う方はお手数おかけいたしますが一度ご連絡ください~ 【薔薇も有る村】廃病院村(仮) [#mdba83bb] 村終了しました~ [#n3702d99]更新履歴 [#of4037f2] この村の趣旨と傾向[#of4037f2] 決まり事 [#q9e84a1b] 概要 [#r2a2ec18] 開催日程 [#nd47cfc6] 世界設定 [#a3ccfddc] 舞台設定 [#i624a270] PC設定 [#lb3629a7]狼×2(首無し騎士) [#b161b84c] 吊り襲撃 [#de840a2d] ログの扱いについて [#s61aa81e]表ログ [#l49bc294] 赤ログ [#l49bc294] 墓下 [#h8e84d3c] 進行 [#r53b3960]0d[#cb7663f4] 1d[#cb7663f4] 2d~[#cb7663f4] エピ[#cb7663f4] キャラと立ち位置予約←New!! [#l399ff7a] 参加CO [#l399ff7a] コメント [#q73a9e02] 更新履歴 [#of4037f2] 2012年12月19日 村建ちました!! 2012年12月10日 キャラと立ち位置予約開始~ 2012年10月28日 開催日程詳細 2012年10月08日 Wiki立ち上げ この村の趣旨と傾向[#of4037f2] 被験者と医者側に分かれて殺し合いをし薔薇も有る村です。 ただ、医者による無茶ぶりが発生するため 好きあった同士で殺し合いや、寝取り、寝取られとか、 ろくでもないことが発生する可能性もあります。 医者参加者がいない場合、そのへんの無茶ぶりは減ります。 ので、医者参加者さん次第で結構傾向が変わります。 肉体エログロ、精神グロどれも発生可能性ありです また、各種RPは手段であり、目的はRP村(物語を紡ぐこと)に、なります。 人狼システムを使ったRP村ですので 手段だけがあれば良いわけではありません。 その点はご理解いただければ、と思います。 表現規制はありません。 村建てからはNGとする表現は一切ありませんので (村たては表現したい事がある……という目的があれば なんでも許容しちゃう、至ってゆるい脳みその持ち主です。) 各自地雷に関する自衛をお願いいたします。 ※他の村との掛け持ちは、他の村の方への御迷惑、他の参加者への御迷惑を考えて不可とさせて頂きます。 ガチ村の場合は本編(ガチの、プロ、エピは非参加OKですので、かぶっても大丈夫です)RP村のプロ~エピ(RP村の場合プロもエピも、本番であるロールがあるため、かぶり不可とさせて頂きます)の被りは避けて下さい。 決まり事 [#q9e84a1b] ★他の参加者への配慮を忘れないでください。 ★それぞれが周りを楽しませることを心掛けてください。 ★何より自分が楽しむことを心掛けてください。 ★リアルは大事にしてください RP村のいろはに関しては、各自資料参考お願いいたします。 (簡易的なまとめをhttp //melon-cirrus.sakura.ne.jp/wiki/?%B4%EB%B2%E8%C2%BC%A5%DA%A1%BC%A5%B8%2F%A5%B9%A5%C8%A5%EA%A1%BC%A5%C8%A5%C1%A5%EB%A5%C9%A5%EC%A5%F3%A4%CE%BE%AF%C7%AF%C3%A3に、下部に掲載してあります。) わからない部分、不安な部分はご質問いただきましたら 私のわかる範囲でお答えいたします。 概要 [#r2a2ec18] 村名 【薔薇も有る村】廃病院村(仮) 主催者 うに 開催国 RP鯖 種別 完全RP村 更新間隔 48H展開によってはコミットあり。 投票方法 記名投票 発言制限 たくさん キャラセット 人狼議事 募集人数 ダ込7~9名 編成 ダ狼狼+村 事件 無し 幽鬼モード ON 更新時刻 朝(7時) 開催時期 12月22日開始年末前終了目標 役職希望 有効 レーティング R-18 開催日程 [#nd47cfc6] 12月22日(土曜)朝開始に本決定出しておきますノシノシ 最大ダ込み9名ですので、10日たたずに終わるとは思います。ので 年末前終了りなるかな、とは。 名前 コメント 世界設定 [#a3ccfddc] 現代になります。 舞台設定 [#i624a270] 廃墟病院になります。携帯、ネットの電波は入りません。 見た目は廃墟ですが 地下室(墓下)の医療設備は最新のものとなっており、 また、すべての部屋にハイテクノロジーによる 監視カメラが見つからない箇所に設置してあり 全てモニタリングされています。 プライバシーは一切ありません。 (それをどこまで知らされるかは医者次第になります) 設備詳細は言った者勝ちになります。 医者達の部屋は瞳孔認証でしか入ることはできません。 全てを見ることができるモニターがあります。 危険ですが部屋の外に出ることもできます。 地下室(墓下)への行き来も自由です。 地下室(墓下)最先端の医療施設と保護房です。 ここにもモニターはあり地上の様子が中継されます。 PC設定 [#lb3629a7] 男の被験者です。 なんらかの応募する理由を持っており それを応募書類に記載しています。 (=医者側は知っていてそれを報酬の一つとして提示します) 年齢は18歳以上~50才未満になります。 突然いなくなって、 家族が捜索願いや何かを出しても、 医者の悪事を露見させることができない立場です。 (上流階級、重要役員等、不可ではありませんが ↑に関してご注意ください。 そうでないと村が立ちいかなくなる危険があります。) 狼×2(首無し騎士) [#b161b84c] 今回の実験を行う医者です。 秘話ができる鯖なら秘話でそうでなければFOになってしまうけど 途中、途中で、被験者たちにムチャぶりができます。 また、この無茶ぶりにより村の傾向が 変わっていく可能性があります。 ……例えば、いちゃいちゃしているのが好きな医者なら村の殺伐度は低く抑えられますし、 殺しが好きな医者なら殺し合いがメインになりますし、 エロ好きならエロが多くなる……と、いう感じです。 吊り襲撃 [#de840a2d] 襲撃:医者の殺し 吊り:被験者の殺し 投票はPL視点で話が面白くなりそうなところを意識しつつ PC視点でキリング出来る範囲での投票になります。 が、極端に寡黙なPCに限ってはこの限りではありません。 殺し、とありますし、被験者達は殺したつもりですが 実は回収された脱落者は地下のハイテクノロジーで 治療され一命はとりとめます。 この事実は、医者側がばらさない限り 被験者側は知るすべはないと思われます。 ………キリングで首切り離し、とかがあった場合 ちょっとどうしようとは心配しつつ。 ログの扱いについて [#s61aa81e] 独り言、赤ログ以外での中の人発言を禁止します。 独り言と赤ログのみ記号付きで中の人発言ができます。 表ログ [#l49bc294] メイン舞台 赤ログ [#l49bc294] 医者たちは無線で相談できます。 襲撃相談のため、中の人発言が必要な場合は 赤ログで中の人発言をしても構いません。 墓下 [#h8e84d3c] ――――まさか、死ねば楽になれる、なんて思ってないだろうね? 脱落者が、一命取り留める範囲の治療のみ施され 保護房(個室)に収容されます。 各自声ぐらいは届きます。 モニターが設置され、実験を観戦することもできます。 また、医者が戯れに来るかもしれません。 進行 [#r53b3960] 1d=村の1日 0d[#cb7663f4] ――――やぁ、よく来てくれたね。 集められて、医者たちと面会し 個々に守秘義務の契約書を交わします。 その時に今回応募した理由、 それを最も優れた業績を残した際に叶えるとも契約します。 それ以外は被験者どうしでどんな仕事内容だろうと 談笑したり自由に過ごしてください。 医者もまだ本性は見せず、談笑したりしています。 1d[#cb7663f4] 医者が本性を見せ、実験の開始が告げられます。 それは「生存実験」だと。 最初は驚くもの、逃げたいと思うもの、冗談と思うものもいるかもしれません。 ですが、最初の日の最後、 そんな被験者をあざ笑うように 一番否定的だった人物(ダミー)が…… 2d~[#cb7663f4] ダミーが殺されます。ダミーの遺体のみその場に放置されます。 また、実験の本格開始が言い渡され、 実験を行わない場合ダミー同様殺すだけだと言われます。 エピ[#cb7663f4] 生き残ったのは誰だろうか?医者以外で脱落していないものは? 脱落者の運命は? 諸々エンドロールしながら決まればいいなと思っています。 キャラと立ち位置予約←New!! [#l399ff7a] 基本的に早い者勝ちになりますー NO 匿名 第一希望 第二希望 備考 01 ダミー子 ?(験) ?(験) 選択されなかったグラのダミーになります。 02 特命 ロビン(医) イアン(医) 医者希望ですが応相談。白衣と眼鏡デフォです 03 匿名 セシル(験) べネット(験) 04 トクメイ ヘクター(験) ?(?) 代筆 05 tkmi スティーブン(医) ドナルド(験) 暫定なカンジなので、他に希望者がいればお譲りします。 06 とくめいたん ヴェスパタイン(験) ケヴィン(験) 全体のバランス見て、綺麗どころが少なければヴェス、ゴツさ不足ならケヴィンで。 07 tokumei モリス(験) ヒュー(?) 08 ?(?) ?(?) 09 ?(?) ?(?) 名前 コメント 参加CO [#l399ff7a] キャラ予約が始まったため、村たてに連絡の上で匿名CO可能になります。 SNSかツイッターでお声かけくださいノシノシ NO ID PLNG 備考 01 ダミー - 選択されなかったグラのダミーになります。 02 03 04 okomekome 過度の汚物(主に食べる方向) 05 kaisanbutu なし 06 ふらぅ NGは無いけど、キャラの反応として毛嫌いすることはあります。 07 nordwolf 一応考えてみます 08 kirisame1224 09 うに ないです。 村建てです。 コメント [#q73a9e02] 不明点、提案等、何でもお気軽にどうぞ。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/113.html
※ページ名を変更しました。 前名:梨花×沙都子(キスのみ)。 梨花×沙都子で、舌入りキスまで。 一部、血の味を連想させる描写有り。 買い物にいったら、オレンジ味の大きな飴がもらえた。 店主は、私の隣にいる沙都子のことなんて見えてもいない態度だった。 沙都子も飴のことなんて見えていないように振舞った。 「ありがとなのです。」 私はお礼を言って、その気まずい物体を迅速にポケットに突っ込んだ。 沙都子にも飴を与えて欲しいとか、私一人分だけなら受け取らないとか、 そんな押し問答で時間を長引かせることが、友人を一番苦しめる。 受け取ったらさっさとポケットに隠してしまって、沙都子が見ていない場所で 食べてしまうのが一番だった。 彼女は、私がもらったお駄賃のおすそ分けは、頑として受け取らない。 「さあ、次は八百屋さんでしてよ。」 必要以上に明るい笑顔を作って、沙都子が私の手を引く。 「みー、ジャガイモが安いといいのです。」 「ですわねー。」 「カボチャの方が安かったら、そっちにするのです。」 「ですわねー……って、梨花! カボチャは昨日やっとなくなったばかりではありませんことっ? 向こう1週間は買わない約束ですわ!」 「みー?」 私が触れれば、沙都子の傷は余計に痛むだけだ。 だから、彼女が辛い思いをした時間は、私たちの間では存在しないことにしていた。 ポケットに溜まっていくお菓子の重さや、隠れて食べなければならない味気なさは、 きっと、彼女の痛みの100分の1にも及ばない。 沙都子と過ごす時間を少しでも幸せなものにするために、これは必要な我慢だ。 「沙都子!」 背後で野太い声が沙都子を呼んだ。 沙都子は私の手を引いた体勢で硬直する。彼女の手が、私の手を強く握った。 ぎりぎりと爪が食い込んで痛い。けれど私には、彼女に抗議するような気力は残っていなかった。 私はゆっくりと後ろを振り返る。 そこには予想と寸分たがわぬ北条鉄平の姿があった。 これは、もう駄目な世界だった。 今すぐ死んで、次の世界に行ってしまいたい。 この世界には北条鉄平は現れないのではないかと、私は思い込んでいた。 直前の世界が、まさに北条鉄平によって滅茶苦茶にされた世界だったからだ。 サイコロの1が出た次の世界では、6…とは行かなくても4や5は出てくれるんじゃないかと 無意識に期待していた。 1が3回連続しても、そのあとで6が3回連続すれば平均値だ。最終的に帳尻が合うのか どうかは知らないが…1の次に1は来ないという、私の見込みは甘かった。 北条鉄平は、おびえて縮こまる沙都子を私から引きはがした。 沙都子は助けを求めるような目で私を見た。そのとき、私は多分あの、諦め切った顔を していたのだと思う。私の諦めに感染したように、沙都子の目から感情が抜けた。 世界は終わったのだ。ほら、遠くでひぐらしがなき始めた。 二人分の夕食の買い物を抱えて、私は一人で家へ帰った。 「おかえりなさいなのです。」 「…ただいま。」 買った物を冷蔵庫に入れ、タンスから沙都子の衣類を引っ張り出す。 それだけで、羽入は何が起きたのか分かったようだった。 「梨花…気を落とさないで欲しいのです。」 「わかってる。」 前の世界でやったのとそっくり同じに荷造りして、一番上に薬と注射器を詰めた。 北条家に行き、沙都子を呼び出す。 夕食中らしく、鉄平は出てこなかった。 「お着替えとお薬なのです。」 「あ、ああ。ありがとうですわ、梨花。」 「…お注射、忘れてはだめなのですよ。」 「あら、私はそんなうっかりさんではありませんでしてよ。」 いいや、沙都子はうっかりさんだ。 鉄平が帰って来た世界で沙都子が注射を忘れる確立は、今のところ100%だった。 「教科書はボクが学校に持って行くから心配しなくていいのです。」 にぱー☆と、作り物の笑顔を浮かべてみせる。 「ありがとう。…ごめんなさい。」 沙都子が、暗く沈んだ作り笑いで応える。 終わることが確定した世界で、それでもこうやって明日のための準備をするのは、 1秒でも長く沙都子と一緒にいたいからだ。 見込みのない患者に施す延命措置と同じようなものだった。 それを沙都子が望んでいるのか、私には分からない。 それを沙都子が許してくれるのか、私には分からない 数日後、予定調和に従って沙都子が倒れた。 沙都子は今、保健室のベッドの上で小さくなって震えている。 「注射はしましたか?」 「いや、いやぁっ!」 焦点の定まらない目で、何かから身を守ろうとするかのように両腕を上げている彼女を 見れば、回答は明確だった。もしかしたら経口薬の方も飲み忘れているかもしれない。 ポケットからケースを出し、注射器の針をアンプルにセットする。 針先を弾いて空気を追い出した。 「沙都子、だいじょうなのですよ。」 保健室の中には私以外には誰もいないのに、彼女は虚空に北条鉄平の姿を幻視して 暴れている。彼女の腕をとって、注射器の針を…皮下にすべりこませようとした瞬間、 沙都子は私の方を向いた。 私の手を、多分、叔父の手だと勘違いした。 「あああぁぁっ!」 成人男性ならともかく、子供の体ではひとたまりもない。 「くっ!」 沙都子に勢い良く振り払われて、私の体は床の上に転がされた。 「っ痛…。」 そして気付く。注射器がない。 私はあわてて立ち上がり、転んだ拍子に跳んでいった注射器を探した。 「あった!」 でも…それは、掃除してあるとはいえ床の上に落ちてしまっていた。 おまけに針先が少し曲がっている。 保健室だから消毒用アルコールならあるだろうが、それで拭いたとしても これを沙都子の体に入れることはためらわれた。 「ああ、ああ、あああ。」 沙都子は両腕で頭を抱えて、がくがくと震えている。 入江に電話して注射器をもってきてもらうのが一番早いが、それでもかなり時間がかかる。 発作を起こしている間はずっと、脳は強いストレスにさらされていることになる。 入江が来るまで沙都子の脳が保つかどうか…。 何かない? 治療薬とまではいかなくても、沙都子の症状を和らげてくれる何かは? …悔しい。薬の材料ならここにいるのに。髄液でも血液でも、女王感染者の 体液は何でもそのまま緩和剤として使えるのに。 私はふらふらとガーゼ用のハサミに手を伸ばした。 これで指先をバチンとやって、沙都子の口の中に…。 「駄目。」 私はハサミを戻した。 いつかのループで試したことがあったが、彼女は血の味を嫌う。 …血の味が好きだという人間の方が珍しいだろうけど。 「何か…。」 私は無意識に注射器を求めて、ポケットに手を入れていた。 指先に触れたものを掴み出す。 固くて丸くてオレンジ色のナイロンで包装された飴玉。 「…いける?」 包装をはがして口に入れる。 僅かな酸味と、甘みと、柑橘系の香りが口の中に広がった。 咳止めシロップに砂糖が入っているのはなぜ? カロリー増強のためじゃない。子供が美味しく飲んでくれるからよ。 上履きを脱いでベッドによじ登り、浅く短い呼吸をしている口元に近づく。 うっすらと開いた唇に顔を近づけて…。 二人の唇が触れ合って、ぴちゃっと濡れた音がした。 「ふっ、んんっ?」 沙都子はびくりと身を震わせる。上体を仰け反らせて逃げようとする彼女に、 身を乗り出してついていく。 「んっ、んん!」 閉じようとする唇を唇で開かせて、飴の溶けた唾液を流し込む。 ほら、沙都子の好きなオレンジ味。恐がるようなものじゃないでしょう? 「ん、ん…。」 飲んでくれた。 オレンジ味の効能か、沙都子は大人しく私の唇を吸い始めた。 頭に触るのは良くなさそうだったので、頬を撫でていい子いい子する。 沙都子はくすぐったそうに身をよじった。 注射のような即効性はないが、じわじわと効いてくれているようだ。 沙都子の体から緊張感が抜けていく。 彼女の体をそっと仰向けに倒し、覆いかぶさる体勢で唇を重ねる。 沙都子の両腕が私の背中に回り、ぎゅっと抱きついてきた。 「っ?」 彼女の舌が私の口の中に入ってくる。指先に劣らず器用な舌が口中をなぞり…。 ちゅるん。 「あ…。」 飴、取られた。 「ちょっと、そうじゃなくて。」 未だ正気に戻ったとは言いがたいぼんやりとした表情に、なんとなく勝利の笑みが 追加されたような気がする。 「…いらないって言ったくせに。」 ちょっとむっとして、反撃に出る。 「んー、んーっ。」 いやいやする沙都子のあごを捕まえて、さっき彼女がやったように舌を差し入れる。 くちゅ。 僅かに開いた歯の隙間から舌をもぐりこませた。 …このままじゃ、取り返すのは無理ね。 ひとまず飴にはかまわず、ガードを緩めることに専念した。 口蓋から舌下まで、舌先の届く範囲をくまなく探る。 「んっ、んん。」 沙都子は私の体との隙間に手を入れて押しのけようとしていたが、くすぐったくて 力が入らないらしい。 縋り付くように私の服を握り締めて、ぎゅっと眉を寄せている。 「ん、ふぁ…。」 口が開いたところで飴を取り返す …変ね。 一旦安定したように見たのに、沙都子の状態はまた少し悪化したようにも見える。 呼吸が荒いし、微熱があるような潤んだ目をしている。 …。 …。 …! 足りてないのね? 私は再び沙都子の治療を開始した。 「あっ、ふぁ、ふっ…うん。」 オレンジ味の溶け出した二人分の唾液の、沙都子が飲み切れなかった分が口の端から 頬に伝う。 いったん飴を沙都子の口に預けて、頬に流れた分を舌ですくい取った。 「ひぅっ。」 すくい取ったものを沙都子の口に戻す。 「…ごめん、くすぐったかった?」 ぼんやりと私を見上げる目は、うっすらと涙が滲んでいるのに嫌がっているわけでは なくて、不思議な印象だ。 …まだ、足りない? ちゅ、くちゅ、ぴちゃ、ぺちゃ。 二人の口の中で飴が行ったり来たりする。 固くてつるつるした飴の感触と、ぷにぷにした舌の感触とが交互に来る。 オレンジ味の沙都子の舌は水気の多いゼリービーンズみたいで少しも嫌な感じはしなかった。 飴が小さくなる頃には、沙都子の体はすっかり弛緩していた。 とろんとした目で天井を見ている沙都子に毛布をかけて、入江に電話しに…。 「羽入? どうしたの?」 羽入は保健室のすみっこでぺたんと座り込んでいた。 顔は赤いし息は荒いし、まるでさっきの沙都子のようだ。 「ら、らって、梨花が…!」 本人は真剣に抗議しているようだけど、潤んだ上目遣いだからちっとも迫力がない。 「私が何をしたっていうのよ。…入江に電話してくるから、沙都子をみててね。」 あぅあぅ鳴いている羽入を残して、私は職員室に電話を借りに行った。 入江に電話をして戻ると、羽入はベッドの隣に立ってじっと沙都子を見下ろしていた。 「沙都子は大丈夫そう?」 「はいなのです。」 良かった。 「あぅあぅあぅwww」 羽入がからかいを含んだ視線をよこす。 「梨花は責任を取らないといけないのですよ?」 「責任?」 「沙都子のファーストキスを情熱的に奪った責任なのです。」 ふぁ、ファーストキス? 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! あんな舌がくっついてるようなのが、 どうしてキスになるのよっ?」 確かに唇もくっついてたけど、キスって、ほら、もっとこう、唇と唇の表面がちゅって…。 私が否定すると、羽入はきょとんとした。 そして、うつむく。 …肩が震えている。 やがて、耐え切れなくなって声に出して笑い始めた。 「な、何で笑うのよ!」 羽入は質問には答えずに笑い続けている。 ……だんだん腹が立ってきた。 今夜のおかずは懲罰用キムチに決定だ。
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Part 1 「いただきます」というのりの号令で始まる桜田家の食卓。見慣れた光景。 だが今日は、いつもと少し様子が違っていた。 食器の載った盆を両手に、席を立とうとするものが一人。 の「あら真紅ちゃん、今日も二階で食べるの?」 紅「ええ…」 ジ「昨日もそうだったけど、おまえが一人で食べたいだなんて…どういうつもりだ?」 紅「少し、考え事をしながら食事を摂りたいだけ。いけない?」 ジ「いや、悪いとは思わないけど…」 席を立ち、振り向きざまに真紅が言う。 紅「それじゃあ、食べてる間は上がってこないで頂戴」 ジ「言われなくても。…つーかお前、昨日はドアの鍵閉めてただろ。言っとくけど僕の部屋だってこと忘れるなよ」 とんとんとん…と階段を登る足音が聞こえてくる。 翠「どーも怪しいですぅ…。真紅が鍵まで閉めてジュンの部屋にこもるだなんて…」 ジ「つーか、一人で飯食いたいって時点で変だろ…」 雛「うゆー…」 皿に注がれたスープをスプーンですくいながら、ジュンは窓の外を見やった。 ジ「雨…止んだな…」 Part 2 さかのぼること二日前。 連日降り続いた雨が、街中から雨音以外の音を掻き消している。 そんな鳥の一羽さえ飛ばない空を翔ける、一体の影があった。 真紅は、桜田家の玄関から拝借した大きな傘を手にし、自らの鞄に乗り込み空中を移動していた。 特に明確な目的があって外に飛び出したわけではなかった。 ただ、何か…誰かがこの空の下で待っているような、そんな予感がしたのだ。 気のせいか…。そう思い、引き返そうとしたとき。足下に、見覚えのある姿を見つけた。 紅「あれは…」 真紅が持つものと同じ鞄を引きずり、雨に打たれながら、ふらふらとおぼつかない足取りで歩く、黒いドレスを着た少女がそこにいた。 紅「水銀…燈…!!」 真紅は、全速力で彼女のもとへ飛び、水銀燈の眼前に降り立った。 紅「水銀燈!…貴女、いったいどうし…」 銀「…しん…く……?」 そうつぶやくと水銀燈は、膝から崩れ落ちるように倒れた。それを真紅が慌てて受け止める。 彼女の息は荒く、再び立ち上がる気力さえないようだった。 紅「こんなに衰弱して…この子にいったい何があったというの…」 真紅は水銀燈にに肩を貸し、ひとまず彼女を桜田家に連れ帰ることにした。 Part 3 二体のドールと一個の鞄を載せ積載量オーバーギリギリの鞄が、桜田家までたどり着く。 二階の窓は開いていたが、誰も部屋には居なかった。 そこで真紅はふと冷静な考えに戻る。 この子がここに居るのを見たら、皆は何と言ってくるだろうか… 特に翠星石に知られるわけにはいかなかった。 かけがえのない双子の妹を奪われた恨みなど、そうそう忘れられるはずもないだろう。 真紅は思案を巡らす。どこか、この子を隠すのに良い場所はないものか… 紅(……!そうだ、あそこなら…) Part 4 紅「げほっ、げほっ……想像以上に汚い場所ね…」 数分後、真紅はホコリが舞う屋根裏に立っていた。 そして、ホーリエを呼び出し、命令する。 ホコリの積もったその場所が、みるみるうちに輝きを得てゆく。 この空間の時間のゼンマイを巻き戻し、新築の状態まで戻したのだ。 紅「さて…と」 水銀燈をそこに連れて上がると、真紅は再びひとり下へと降りた。 風呂場からバスタオルを持ち、また二階へ戻る。 桜田家の住人たちは、テレビに釘付けだったり食事の後片付けに追われていたりで、真紅の行動に気付く者は誰も居なかった。 水銀燈はもちろん、真紅自身も雨に打たれずぶ濡れだった。 真紅は、水銀燈のドレスを脱がし、彼女の髪や顔、身体をタオルで拭う。 それが済むと、真紅もドレスを脱ぎ自らの身体を拭いた。 ふと、気を失っていた水銀燈が眼を覚ました。 紅「あら、気がついた?」 目の前に居る真紅の姿に、彼女は戦慄の表情を向けたが、 紅「怖がらなくていいわ…。貴女のローザミスティカを取ったりするつもりはないから」 という言葉に少し安堵し、こわばった顔を緩めた。 Part 5 水銀燈が、ぶるっ、と肩を震わせ、自らの身体を抱いた。 長い間、雨空の下に晒されてきたのだ。しかも今は下着姿。冷えて当然だ。 紅「寒い?」 と真紅はバスタオルで彼女の肩を覆う。 だが、その震えは止まりそうにもなかった。 どうすれば…と思案するうち、真紅はあることを思い出した。 真紅は、水銀燈の下着も剥ぎ取った。 呆然とする彼女を横目に自身も裸になる。 そして、冷え切った彼女の身体を、ぎゅっ、と抱きしめた。 紅「どう?…こうすれば、私の体温を感じられて、寒くはならないはずよ…」 ドールに心臓は無い。だが二人は、互いの胸の鼓動を感じた気がした。 そのうち水銀燈は、すぅ、すぅ、と寝息を立て始めた。 紅「あらあら…」 そうつぶやき、真紅はバスタオルを二人分の身体に纏わせる。 そして、自らもゆっくりと眠りに落ちることにした。 梁の上に干された二つのドレスから、ぴちゃっ、と一滴の雫が零れ落ちた。 Part 6 翌日。昨日ほどの勢いは無いが、未だ雨の降り続く憂鬱な朝。 真紅は下着とドレスを身につける。 まだ眠っている水銀燈にも同じようにしてあげた後、屋根裏から二階のジュンの部屋に降り立つ。 幸いにも、まだ他に目を覚ましている者はいなかった。 そして階段を下り、冷蔵庫からいくらかの食料を手にし、そっと屋根裏の彼女のもとにそれを置く。 家の者たちが起き出した後は、何事も無かったかのように日常を過ごした。 何人かには、昨日どこへ行っていたのかと問われたが、適当なことを言ってごまかした。 やがて昼食の時間になり、二人の人間と三人のドールが食卓に顔を並べる。 紅「のり」 その言葉に、真紅の方を向くのり。 の「なぁに?真紅ちゃん」 紅「今日は、二階で食べてもかまわないかしら」 ジュンと翠星石が、不思議そうに顔を見合わせる。 の「別にいいけど…」 雛「じゃあヒナもいっしょに食べるー!」 雛苺は明るく申し出たが、真紅はそれをやんわりと断った。 紅「ごめんなさい。今日は一人で食べたいのよ」 雛「うゆー?」 Part 7 ジュンの部屋に入ると、真紅はまず鍵を閉めた。 そして押入れの戸を開け、鞄をエレベーター代わりに上昇する。 ベニヤの蓋を押し上げ、屋根裏に足を踏み入れる。 ホーリエが灯り代わりとなり、暗かった空間に光を流し込む。 水銀燈はすでに目を覚まし、梁を背に座り込んでいた。 しかし、今朝真紅が彼女のもとに置いた食料には一切手がつけられていなかった。 紅「食欲、無いの?…」 真紅がそう訊くと、水銀燈は横に小さく首を振った。 そういえば、ここに来てから彼女が一言も言葉を発していないことを真紅は思い出す。 もう、喋る気力すら残されていないのだろうか。 だとすれば、今はものを握る力も、噛む力もないのだろう。 ふたたび真紅は考える。このままでは、ますますこの子は弱ってしまう。 どうにかものを食べさせる方法はないものだろうか。 そして彼女の脳裏にある閃きが浮かび上がる。だが、それと同時に顔がぼっと赤くなった。 その行為は彼女にとって恥ずかしく、ためらわれることだった。しかし―――― 紅(この子の命には代えられないわ――――) Part 8 意を決した表情で、真紅は料理を自らの口に含み、もぐもぐと咀嚼した。 それと同時に、手のひらで水銀燈の頬を支え、口を開かせる。 次の瞬間、真紅は水銀燈の唇に自らのそれを押し当て、食物を自分の口から彼女の口へと流し込んだ。 何が起こったかわからない、という表情で目を見開く水銀燈。だが抵抗するだけの力も残っていなかった。 舌を使い食物を押し込むうちに、意図せず互いの舌が絡み合う。 水銀燈が、ごくり、と食物を飲み込むと、ぷは、と二人の唇が離れる。 二人とも真っ赤な顔をしていたが、真紅は構わず、続けざまに次の一口をすくい、一連の動作を繰り返した。 そして、皿の上にあった料理があらかたなくなったころ。 銀「ありがとう…」 と、水銀燈が弱々しく言った。 紅「よかった…力が戻ってきたのね」 銀「貴女に助けられていなかったら、私、今頃――――」 消え入りそうな声で続ける。 銀「でも、どうして私を助けてくれたの?…私、貴女にさんざん酷いことしてきたのに…」 紅「何故って…」 ふ、と微笑み真紅は言う。 紅「貴女がスキだからに決まってるじゃない」 水銀燈の顔が再び紅潮する。 銀「は…はぁあ…??」 紅「あら、もうこんな時間。そろそろ戻らなきゃ怪しまれるわ。じゃあね、また夜に来るわ」 Part 9 時計の短針が再び「1」を指す頃。真紅は、皆が寝静まったのを確かめ、天井裏へ昇った。 ベニヤの蓋を押し上げ、中を覗き込むと、今度はすでにメイメイが灯りとなって、水銀燈を照らし出していた。 紅「あら…、もう鞄を開けられるぐらい回復したようね」 銀「もう、遅いわよぉ」 紅「ごめんなさいね。夜食までは用意できなかったわ」 銀「いいわよぉそれぐらい。一日一食あれば十分だわぁ」 真紅は、鞄に載せて持ってきたティーポットとカップを取り出す。 紅「紅茶を持ってきたわ。さっき飲んだものの残りだから、すっかり冷めてしまっているけど」 銀「逆にありがたいわぁ。私、熱いの苦手だから」 紅「あら、あなたが猫舌だったなんて、初耳だわ」 二人揃って、くすっと微笑みを交わす。 紅茶を二つのカップに注ぎ、それを一口飲んで、真紅が訊ねた。 紅「ところで…、どうして貴女はあんなにふらふらになって、さまよっていたのかしら」 ぴく、とその言葉に反応し、水銀燈は少し沈んだ面持ちで俯く。 そして、彼女のマスターであるめぐの事を静かに語りだした。 彼女との出会い。彼女の病気のこと。彼女との思い出。彼女の歌のこと。 水銀燈は話を続ける。 Part 10 銀「めぐがね…大きな手術を受けるから、しばらく集中治療室にいなきゃならない、って」 銀「だから、しばらくこの病室には戻れない、って」 紅「だから、居場所が無くなって、あても無く…」 水銀燈は、こくり、と小さく頷く。 紅「その、めぐという子が、貴女の闘う理由なのね?」 心を見透かされたようで少し恥ずかしくなったが、水銀燈は再び小さく頷いた。 そうだ、と真紅は何かを思い出したように、鞄から何かを取り出す。 銀「なぁに?この本…」 紅「私のお気に入りよ。きっと貴女も気に入るはずだわ」 真紅は、水銀燈の前に一冊の本を差し出した。 銀「ありがとう。貴女が来ない間ずっと暇だったから助かるわぁ」 銀「でも、こんな暗がりで読んでたら、目が悪くなっちゃうかもねぇ」 紅「ドールが近眼になるのかしら?」 再び、二人同時に、ぷっ、と笑いが込み上げてきた。 紅「もうそろそろ眠たくなってきたわね」 銀「私もぉ…。じゃあ、先に鞄に入ってるわぁ」 鞄に自らの身体を収め、蓋を閉じる。 銀「おやすみなさぁい」 紅「おやすみなさい」 Part 11 午前はいつもどおりの日常を装って過ごし、昼食時になると昨日と同じように水銀燈のために料理を持って上がった。 屋根裏では水銀燈が梁に腰掛け、本を読みながら待っていた。 銀「あ、真紅ぅ。ありがと。この本、すごく面白いわぁ」 紅「そう。気に入っていただけて何よりだわ」 分厚いハードカバーの本だが、その約半分以上を読破したらしい。 紅「この分だと、夜までには新しい本を用意しなくちゃいけないわね」 銀「そんなに気を遣ってくれなくてもいいわよぉ。それに、そんなに長居するわけにもいかないから」 紅「そうね…このままじゃ、いつ皆にばれるかわからないわ」 銀「それに、もし隠し通せたとして、ごまかし続けるのも大変でしょお?明日にはここを出るわぁ」 紅「申し訳ないわ…大した心配りもできなくて」 銀「何言ってんの。もう十分すぎるぐらいよぉ」 Part 12 紅「そうそう。お昼を持ってきたのだけれど」 銀「ん、…ありがと」 真紅は皿の上のスパゲッティをフォークでくるくると巻き取り、それを水銀燈の前に掲げた。 紅「はい。あーんして」 銀「も、もう、フォーク持つ力ぐらいあるわよぉ」 水銀燈はいじけた表情を見せたが、真紅は聞く耳を持たない。 そういえば、めぐにもこんなことされたことがあったっけ、と思い出しながら、差し出された料理を口に入れた。 噛み、味わい、飲み込む。 紅「おいしい?」 銀「わ、悪くないわぁ…」 次の瞬間、何かを思いついた水銀燈は、真紅の手からフォークを奪った。 そして、同じように料理をフォークに絡ませ、真紅の方に向ける。 銀「はい、あーん。お返しよぉ」 はじめはキョトンとしていたが、すぐに満面の笑みで真紅はそれを口にくわえた。 紅「ふふ、おいしい。…」 まったくもう、と水銀燈のため息が一つ。 こうして、交互に食べさせあってゆくうちに、皿の上はすっかり空っぽになっていった。 Part 13 三度目の夜が訪れた。真紅は、また紅茶を手に、水銀燈のもとへと向かう。 冷めた紅茶を嗜みながら、二人でさまざまな話をした。 そして、また時間が過ぎゆく。 ふああ、とあくびをかきながら、真紅が言う。 紅「今日も、たくさんお喋りしたわね。すっかり眠たくなっちゃったわ」 ふと水銀燈の方を見ると、彼女は何かを言いたそうにもじもじとしている。 紅「?…どうしたの?」 銀「あ、あのね、真紅ぅ…」 銀「キ、キッ…」 口ごもった後、押し出すように言った。 銀「キスっ、してほしいのぉ…!!」 紅「えっ…!?」 銀「こっ、こんなこと言うなんて、へっ、変だと…思うかもっ、し、しれないっ、けどっ…」 紅「いいわ。言ってごらんなさい」 銀「最初の、食事のときね…くっ、口移しで食べさせてくれたじゃない…」 銀「あ、あの感触を思い出すと、い、今も私、どっ、ドキドキするのぉ…」 紅「うれしいわ…だって、私も、同じ気持ちだから…」 二人の火照った顔が、すぐ近くまで迫っていた。 互いの呼吸を肌で感じられる近さ。近づく。もっと…近づく。 Part 14 二人の唇が、ゆっくりと一つに繋がる。 紅「むぐ…ちゅうっ…はぁっ、水銀燈…んちゅ…愛してる…むちゅっ…ちゅぷっ…」 舌を絡ませると、くちゅ、くちゅ、と粘り気のある音が響く。 銀「わ、私も、むちゅ…ちゅく…はあっ、大好きよぉ…ちゅぷ…んちゅ…真紅ぅ…」 同時に、指と指を絡ませ、もう一方の手では、相手の身体をぎゅっと強く抱きしめる。 自然と、呼吸が荒くなってゆく。 繋がった唇の間で、互いの熱い吐息を交し合う。 何十秒、いや、何分間そうしていただろう。 時間の感覚がなくなってゆく。 もはや、それは永遠にすら感じられた。 ぷはぁっ、と唇を離すと、粘液が銀色に輝くアーチを描き、つう、と零れ落ちた。 銀「お別れのキス…ね…」 紅「いいえ…これは、ただの…おやすみのキス、よ…」 ―つづく― 蛇足の補足 おそらくわかる人にはわかると思いますが、タイトルの元ネタはBUMP OF CHICKENです といっても曲からストーリーを考えたわけではなく、話を考えてるうちに 「あ、そういやバンプの曲にこんなのあったな。じゃあ題名にするか」という後付けネーミングなんですが 細かい部分でもちょくちょく歌詞と一致したりしてますが、あまり意図せずそうなりました ttp //music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND19765/index.html
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144 :名無しさん@秘密の花園:2011/05/24(火) 01 10 23.34 ID g3YG9Daq 人間の理性・常識など脆いものである。 「平和で穏やかな毎日」などという本来は何処にも有りはしない虚飾を引き剥がされれば、それらは容易く壊れてしまう。 異常な環境に置かれた人間は次第にその精神を摩耗させ、限界を迎えた精神はついに崩壊を始める。 例えば、今、エレベーターの床に横たわる麻衣の、その傍らで展開されている光景などその最たる物だろう。 「なすび…なす…あは…あっはっはははは…ぐはっ…ぷははははっ!!!」 「し…死んでる……ぷふふ…あは…くふふふふ…ぐふっ…ぷふぅううううっ!!!」 ひょんな事から停止したエレベーターの中に閉じ込められてしまった、ゆっことみおと麻衣。 最初は緊急用の電話などで助けを求め、脱出出来る方法はないかとあらゆる手段を試し、最後にはなりふり構わず叫んで喚いて気づいてもらおうとした。 そして、その全てが徒労に終わった時、三人に訪れたのは圧倒的な虚脱感だった。 力なくエレベーターの室内に座り込んで時間を過ごす内にじりじりと三人の神経は摩耗してゆき、そして…… 「はははっ!…ひ――っはっはっ……助けが来ない………」 「…たすけが……くふふ……あはははっ!!…こない…!!助け来ないっ!!!うふふ…でははははっ!!」 「いひひひひっ!!…あはっ!…くははははっ!!…ぷはっ…ひ―――――っ!!!!」 床をどんどんと叩き、腹を抱えて笑う二人の声は明るかったが、話してる内容は何が面白いのか意味不明なものや、洒落にならないものばかり。 みおとゆっこは完全に壊れてしまったようであった。 一方の麻衣にしたところで 「…………………」 この状況は彼女にもそれなりに堪えたという事なのだろうか? 完全な金縛り状態に陥って、身動きは愚か、しゃべる事すら出来ない有様である。 壊れた笑いの響くエレベーター内に、もはや彼女たちの「日常」はその残滓も残されていない。 やがて、笑い転げるゆっことみおは自分たちも意識しない内に、みおがゆっこを押し倒す形にもつれて倒れこんでしまい… 「あはは…ぷふっ…ゆっこ……ゆっこ、かわい……あはははっ!!」 「なによー…みおちゃんのがかわいーくせに……うふ…ははははははっ!!!」 ほとんど密着状態の二人は間近で見つめあいながら、そんな事を口走り始める。 それは、いつもの二人なら抑圧されて表に出てこない感情の発露。 自分自身ですら意識した事のないだろう、潜在的な願望がみおとゆっこを支配し始めていた。 145 :名無しさん@秘密の花園:2011/05/24(火) 01 11 39.00 ID g3YG9Daq みおがついばむようなキスをゆっこのおでこに落とせば、「このー、やったなー!」とゆっこの唇がみおのほっぺに。 その内、じゃれ合う二人の手や足はお互いの体に積極的に触れてゆき…… 「ひゃん…あっ…みおちゃん……どこさわって…やだよぉ…あははっ!」 「あはは、ゆっこの、おもったよりぜんぜんやわらかいや…どーれ、おつぎは……って、ひあっ!?…ゆっこ?」 「おかえしだよー…んー、みおちゃんのおなかすべすべだー……うふふふふ」 「ひゃ…やあ…あははははっ!……このぉ…ゆっこめえ…こーしてやるぅ!!」 間近から聞こえてくるゆっことみおの嬌声に興味津々な麻衣であるが、金縛りは一向に解ける気配がない。 隣ではかなり大胆なさわりっこが行われているようだが、それを見る事の出来ない麻衣はその光景を想像する事しかできない。 「だめだって…ひあっ!!…あはっ…やあんっ!!…みおちゃ…やめてよぉ…ふああああっ!!」 「ゆっこもやっぱり女の子だね…うふふ…こんどはこんなとこさわっちゃったり……!」 行為が続くほどに、ゆっことみおは大胆に、互いの体に触れてはその肌触り、官能に酔いしれる。 既に二人の制服ははだけて、白いお腹やおへそ、めくれ上がったスカートからは眩しいふとももが覗く。 「…みおちゃ…あはっ…あんまり…うふふ……ちょうしにのってるとぉ……!」 「ひゃんっ!?…ああ、ゆっこぉ…だめ…スカートのなか…手入れないで……ひあああんっ!!」 みおの攻勢を受けて声を上げていたゆっこは逆転をはかるべく、さらに大胆にみおを責める。 みおのスカートの内側に手の平を滑りこませてショーツ越しにゆっこの指先がみおの敏感な場所をくにくにと弄り刺激する。 熱に浮かされたようにその快感に身をゆだね、声を上げるみおだったが、このまま流されるものかと逆襲を開始する。 「…ゆっこ…そこまでだよ…ゆっこのかわいい声…わたしもきかせてもらうんだからぁ……」 「…ひゃ…だめだめだめ…いきなりそんな強くしたら…ふああああんっ!!」 「…ああ…ゆっこのゆみも…はげしくなって……ひあ…あは…だめえええええっ!!」 強く、激しく、互いの大事な場所を親友の指先に責め立てられて、ゆっこもみおも呆気無く登りつめてしまう。 くったりと床に倒れ伏した二人は荒く呼吸をしながら、再びくすくす笑い。 「うふふ…かわいかったよ、みおちゃん…あんな声でるんだ…」 「…ゆっここそ…さっきの声…ドキドキしちゃったなあ………」 顔を見合わせて、笑う二人。 と、その時、ゆっことみおは同時に思いついた。 こんなにも可愛かった友達の乱れる姿、いやらしい声。 では、果たして残されたもう一人はどうなのだろう、と。 二人の視線は未だ金縛り状態の麻衣に向けられる。 麻衣はゆっくりと近づいてくる二人を警戒するが、未だ去らない金縛りの為に逃げ出す事が出来ない。 146 :名無しさん@秘密の花園:2011/05/24(火) 01 12 24.24 ID g3YG9Daq 「まいちゃん、さっきからずっとこのまま…寝てるのかな?」 「だね。でも、寝てるってことはいろいろできる事もあるってことだよ、みおちゃん♪」 「……………………」 金縛りのままの麻衣の体を、ウキウキ笑顔のゆっこが背中側に回って状態を起こし、みおはドキドキとしながら太ももを撫で始める。 「すごい…すべすべしてて……さわってるだけで…へんなきぶんになっちゃうよ……」 「みおちゃんのもいーけど……まいちゃんのむね…だめ……手がとまんなくなる……」 「………っ!…………ぁ……うぁ……」 制服の上から乳房全体を丹念に揉むゆっこの指先に、太ももをなでる内にだんだんと脚の付け根の側に登っていくみおの手の平に、麻衣の口から微かな声が漏れ出る。 金縛りは肉体だけが眠り、意識だけが覚醒した状態。 だが、それでももたらされる甘やかな刺激には、麻衣の肉体も反応せずにはいられないのだろう。 (……だめ……二人…止めないと……でも………) 痺れたように重く動かない体から、快感だけが這い登ってきて麻衣の心を惑わせる。 しかし、相変わらずの金縛りの前に、麻衣には抵抗の術などある筈もなく………。 「もっとさわりたい…まいちゃんのおっぱい……くちびるもやわらかそう……ん…くちゅ……」 「まいちゃんのあし…ふともも……いいよぉ……。あ…ここ…熱くなってる……すごい……」 「……っく………ん…………ぁ………」 ゆっこに胸を揉みくちゃにされながら、甘いキスを落とされる。 みおはふとももを撫でる内にいつしか麻衣のスカートをめくって、ショーツ越しに麻衣の大事な場所に触れてくる。 体中が友達二人の愛撫と、そこからもたらされる快楽で満たされていく。 なのに、金縛りの為に逃げ出す事も、思い切り声をあげて反応する事すら出来ない。 ひたすらされるがままの状態で、麻衣は快楽の坩堝に飲み込まれていく。 「……ぁ……ぁぁ………っ……うぁ……っ!」 「…まいちゃん…まいちゃん……すき……ちゅ…くちゅくちゅ……」 「…わたしだって…まいちゃんのこと…だいすきなのにぃ………」 制服の裾から滑り込んだゆっこの手の平に両乳房を揉まれ、乳首を撫でられ、つつかれて、唇を何度も重ねあわせられる。 スカートの内側、ショーツに触れたみおの指先の動きはだんだんと大胆になり、与えられる刺激は増大していくばかり。 そして………。 「あ、みおちゃん、いーものあったよ」 ゆっこが何やら麻衣の荷物の中から何かを取り出した。 それは……… 「じゃーん、みろくぼさつぅ!!…まいちゃんのアソコをしたげるなら、これつかってあげなよ」 「ああ、まいちゃん…みろくぼさつすきだもんね」 高々とゆっこが掲げた麻衣作の木彫りの弥勒菩薩を手にして、みおもにっこり笑顔。 既に何が正常で何が異常か、その境界線など二人の頭の中から消し飛んでいた。 (……だめ……それを……そんなことに使っちゃ………) 声にならない麻衣の声は、直後に下腹部から駆け上ってくる刺激によってかき消された。 「……ぁ……ぁ……あぁっ!………っく………ふぁ………ひぁ……あぁ……んむぅ…」 「まいちゃんのかわいい声きけないのはもったいないけど、まいちゃんのくちびる、あまくて……んんっ……」 「……ねえ、ゆっこ……まいちゃんのからだ、びくびくしてるぅ……かわいいよぉ……」 みおの指先とは違う、ごりごりとした木彫りの弥勒菩薩の荒々しい感触にアソコをめちゃくちゃにされてしまう。 否応なしに反応して声を漏らそうとする口は、ゆっこの唇に塞がれて舌を絡められて、味わいつくされる。 刺激と快感は渦となって麻衣の意識をかき乱し、やがて彼女を限界へと追いやっていく。 (…もう……だめ……) 一際強く弥勒菩薩がぐりぐりと押し付けられた瞬間、弾けた快感の衝撃に一気に麻衣の金縛りは吹き飛ばされ、 全身をびくびくと震わせて、麻衣は達してしまう。 「……うぁ…あああああああああああああああっ!!!1」 こうしてようやく金縛りから開放された麻衣だったが、しかしその体には動き出すだけのエネルギーも気力も残されていなかったのだった。 147 :名無しさん@秘密の花園:2011/05/24(火) 01 12 55.26 ID g3YG9Daq そして、それからさらにしばらく後、ようやくやって来た救助の手によってゆっこ、みお、麻衣の三人は閉鎖されたエレベーターの中から助けだされた。 「いやあ、一時はどうなるかと思ったよ、みおちゃん」 「ホント、何しても全然助けが来てくれなかった時はどうしようかと思ったよね」 並んで歩くゆっことみおはニコニコ笑顔、長い間エレベーター内部に閉じ込められて憔悴している筈なのに、心なしかお肌が艶やかになってる気がする。 そんな二人に背後から両腕で抱きつく人物が一人………。 「まいちゃん………?」 「ど、どしたの?」 ビクン、と硬直した二人に麻衣はにっこりと笑って 「今日、家に来て」 「へ……なんで?」 「エレベーターの中でのお礼……したいから……」 二人の耳元に妖しく囁いた。 ゆっことみおはじたばたともがいて逃げようとするが、がっちりと二人を捕らえて離さず、金縛りのように縫いつけてしまう。 そして、麻衣は左右の腕で捕らえたゆっことみおそれぞれに、わきわきと動きまくる自分の両手の指を見せてから 「大丈夫……満足、させるから………」 そのまま、ズルズルとゆっことみおを引きずり、家路についたのであった。
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162 『妹堕天録ラーゼシフォン』初 ◆uC4PiS7dQ6 sage New! 2009/10/17(土) 00 16 58 ID momx04Ki 1 その長く伸ばした赤い髪が気に入らない。 その反抗的な赤い眼が気に入らない。 その薄く水っ気を帯びた赤い唇が気に入らない。 ボリュームたっぷりの胸も、細いウエストも、大きくムッチリとしたお尻も、太股もっ!! 昔は子犬みたいに「おにいちゃん、おにいちゃん♪」ってくっついて来て可愛いかったのに、甘やかすだけ甘やかしてたら、どこまでもおっぱい膨らませてっ!! 勝手にエッチくなって!! 身長なんか男のボクと同じだし、タレ目もいつの間にかツリ目になっちゃってるし、髪も派手に染めちゃってるし、本気で睨まれたらボク怖いよ。 呼び方だって、おにいちゃん♪ えへへぇっ、よんでみただけー♪♪→にいちゃん→おにい→アニキ→おいクソアニキ!→名前呼び捨てだし、ちょー最悪。 でも……でもね浮音(しふぉん)? ボクらは双子の兄妹だけどね? たった二人の家族だけどね? それだって限度が有るんだ。もぅ、我慢できないよ。 「早くマッサージしてよ拌羅(すてら)。オレ、胸デケェからさぁ、こっちゃって大変な訳よ」 初秋の夜には雲一つ無く、空にはまん丸お月様。星達のビスチェに彩られた差せ明かりが、窓から降り注いでボクを応援してくれてる。 生意気な双子の妹に、妹のお尻にチンコを挿れろって……思いっきり泣かせろって!! ああっ、考えただけでチンコおっきくなるよ。 きっと狭くてキツくて、ローションでトロットロにしても、ぎゅっぽぎゅっぽって音がするんだろーなーっ♪ そんで、ぎゅっぽぎゅっぽする度に内腸がはみ出したり戻ったりして、せーしを全部搾り取っちゃうんだ……ボクのチンコ使い物にならなくしちゃうんだっ!! 「んくっ……」 ゴクリ。喉が鳴る。鼓動はいきなりトップギア。呼吸も荒くなって、凄く、興奮してる。 チンコ痛い、チンコ挿れたい、ねばねばの作りたて特性濃厚孕ミルクを中出ししたい。 「ふぅっ、ふぅっ、ふっ……うん、じゃあマッサージ……するね?」 家のリビング、電気カーペットの上。髪をポニテに束ねて、妹はうつ伏せになって小さな寝息を吐く。 ブラジャーなんかしてないピチピチのタンクトップにジーンズで、年中変わらない妹の家着。 乳首にはニプレスを貼り付けて、下は大事な所がまるで隠れてないローレグパンツ。お尻の穴が丸見えで、下着姿でうろつかれたら、視線をお尻から外せない。 「あぁっ? なんだよアニキ、ニップレスに触ってみたいのか?」 思い返せば、この台詞からボクはオカシクなった。 「おにぃ、友達が、さ……弟のチンコ見たんだって……だからさ、ボクのも見せるから、おにぃのも見せて?」 アレっ? この時だったっけ? 「ねぇおにいちゃん? しふぉんね? おにいちゃんのこと、かんがえるとね? おまたがムズムズするのっ……おにいちゃんがタッチしてくれたら、ムズムズなおるかな?」 それともこの時だっけ? まぁ関係無いよ。昔は素直で可愛くても、今は生意気なだけなんだから。 ずっとワガママ聞いて来たんだから、前でする訳じゃないんだからっ、スキーン線をゴリゴリえぐる本気ピストンしたいのを我慢してるんだからっ!! だから、だから……お尻にチンコを挿れて、結腸をカリ首でこじ開けちゃっても、それは仕方の無い事なんだ。 163 『妹堕天録ラーゼシフォン』初 ◆uC4PiS7dQ6 sage New! 2009/10/17(土) 00 21 27 ID momx04Ki 2 シフォンは自らの腕を枕にして横になり、ボクはその背へ馬乗りになる。 そして背骨と肩甲骨の間を両手の親指を使い、ゆっくり、丁寧に。ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ、押していく。 上から下へ、脇から潰れて見えるおっぱいを眺めながら、日課のマッサージをいつもと同じく淡々とこなす。 「すぅっ……んんっ、すうぅっ」 するといつもと同じく、シフォンの吐息は深く静かに。こうなると三十分は起きない。 確認してから座る位置を腰から膝裏まで移し、横のソファーに手を伸ばす。 寝てる時の顔は幼くて可愛いのに。一生守ってあげたいと思った昔のままなのにっ。 「ふぅっ、ぁふぅっ! しふぉん……ボクのドーテイ、しふぉんのお尻にプレゼントする。プレゼントフォーユーしふぉん♪♪」 ああっ、チンコがスボンの中で苦しいって言ってる。待っててね、もうすぐ出番だからね、思う存分アバれさせちゃうからねっ!! 手を伸ばした先、ソファーの椅子部分を持ち上げれば僅かな収納スペース。そこに隠して置いた、人肌よりも温かいローションボトル。 ホッカイロに囲まれた中から、裁ち切り鋏と一緒に手元まで手繰り寄せる。 「んはぁっ……唾液はいっぱい溜まるのに、ノドはすんごいカラカラ♪」 お肉をこんなにムチムチプリプリさせてぇ、イヤらしいお尻に成長してぇっ、なんてイケない妹なんだっ!! お兄ちゃんは許しませんよ!! ハサミを一旦シフォンの背中に置き、粘着性バツグンなハードローションの蓋を開ける。 そしてそれを逆さまにして力強く搾り、お尻の、ジーンズの上に、ベチャ、ベチャ、ベチャ。 すぐにローションは染み込んで、一部分だけを変色させながら重量感を増す。 「あはっ♪ オーラしゅーとぉっ♪♪」 空になったボトルは、部屋隅のゴミ箱へフリースロー。見事に得点GETでテンションあげあげ。 続いて右手にハサミを持ち、左手でお尻の穴の上ら辺をちょっと摘まみ、ヂョキン。微かに切れ目を入れる。後はそこを頂点にして左右に切ってくだけ。 ヂョキ、ヂョキ、ジョキ、ジョキ。 パンツごと裁断して、アナルを中心に丸く縁取り、慎重に、大胆に、仕事を終える。 シフォンはまだ夢の中で、余ほど素敵な夢を見ているのか、その寝顔は終始笑顔…… 「ほんとに寝てるのシフォン? 早く起きないと大変な事になっちゃうよー?」 だと思ってたけど、気付いちゃったよ。 「すぅっ、ふんん……ぃあっ、すぅぅっ」 シフォンの頬は耳まで、うなじまで真っ赤で、心無しか呼吸も荒くなってるし、寝たフリしてるのバレバレさま♪ って事は、オッケーって事だよね? ぺろん。べちゃっ。 ローションでぐっちょりと濡れて張り付いたジーンズとパンツを、ミカンの皮を剥くように一息ではがし、テーブルの上へと放り投げる。 「んくっ、はああぁっ……シフォンの、お尻からっ、湯気、でてるよぉっ」 すると視線を釘付けるのは、パクパクと控え目に口を開閉してヒクつく、ピンク色で誘惑する妹の穴蔵。 熱々のローションが腸液と混じって溢れ出し、糸を引いて水音を立て、入り口はコリコリにシコってヤル気モード全開。チンコが痛くて堪りません!! 即座にズボンとパンツを脱ぎ捨て、こちらもカウパーでぐっちょりの先っちょを、後ろの挿入口に押し当てる。 にゅちっ…… ここまで来たらこっちのもんだ。例え急に起きて拒否されても、こんだけローションでヌルヌルになってたら簡単に差し込めるよ。 「ではっ……うおおおおおおおっ!! いただきまぁぁぁぁぁすっ!!!」 164 『妹堕天録ラーゼシフォン』初 ◆uC4PiS7dQ6 sage New! 2009/10/17(土) 00 24 59 ID momx04Ki 3 くちゅ、くちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐぢゅっ!! ぁっ、あっ、もっ……イッちゃう!! まだ挿れてないのに、まだ童貞のままなのに、精液がチンコの真ん中を登って来てる。 またココまでなんだ? ここでおしまいなんだ? いつもみたいに自分の部屋で、裸でベッドに仰向けになって、いつも同じオカズでオナニーして……最低な、ボク。 この先を知らないから、ここまでしか妄想できない。普段は怖くて生意気な妹を、アナルレイプしようとする。そんな妄想。 左手にはシフォンの写真を持って、右手には否貫通で透明素材のオナニーホール。その擬似女性器にチンコを締め付けさせて扱き、限界を迎えるラストスパート。 「しふぉん、きもちいいよぉっ♪ ふぁっ、ぁ、イクッ……ふぎぃっ!?」 グニュグニュの有り得ないヒダ穴に包まれて、一生懸命に右手を上下させて、これはシフォンのアソコだと思い込んで、ボクのチンコはそう勘違いする。 『お兄ちゃ、あがっ、ぃうっ、ごめんなっ、さいっ……こわれちゃ、うからぁっ……もっ、ズボズボしないでよぉっ!! うわああぁぁぁぁぁぁぁん!!!』 『うるさいっ! いっつもいーっつも迷惑かけてっ!! シフォンのお尻なんか、ボクのチンコ容れにしちゃうんだからねっ!!!』 お尻の肉を掴んで、後ろから荒々しくハメ回す。泣いたって叫んだって、止めるもんか。絶対に中出しするんだっ。 それでも、昔の優しいシフォンは好きだったんだよ? 誰かと結婚するまでは、ボクがずっと守ってあげたいと想ってた。 昔の優しいシフォンは…… 「スキ、すきぃっ、好きだよシフォン!! スキっ、スキっ、イッ、ぐぅっ!!?」 ドギュッ! びゅぐびゅっ!! びゅるびゅるびゅる、ドクンドクンドクン…… ああっ、ああっ、オナホに中出し、きもちいい。 ああっ、けど死にたい。双子の妹をオカズにしてボクは、ボクは何をしてるのっ!? いつもと同じ、いつもと変わらない感情。大の字で寝転がり、溜め息を吐いて天井を見つめ、いつもと一緒で自己嫌悪。 また三日もしたら、全く同じ事を考えるのにね。あははっ♪ おっかしー♪♪ 『妹堕天録ラーゼシフォン』 165 『妹堕天録ラーゼシフォン』初 ◆uC4PiS7dQ6 sage New! 2009/10/17(土) 00 28 17 ID momx04Ki 4 ボクら双子の兄妹は、産まれた時から、瞬間から、運命の歌の命ずるまま。 同じ髪に、同じ瞳に、同じ唇に、同じ体格で産まれて。胸の大きさも、お尻の丸みも、腰のくびれや声だって殆ど同じ。 ただ一つ……足の付け根に存在する性器が、男か女かってだけ。 ボクとシフォンは同じ日、同じ時間に産まれ、同じ性器を持って育った。男と女、その両方。つまりは両性具有(アンドロギヌス)。 そして四歳を迎え、性別を決める段階で、ボクは女の、シフォンは男の性器を捨てた。何の問題も無く、兄と妹として、成長して行く筈だったんだ。 だけど、そんな儚い夢さえ叶わない。ボクの身体は、幼い頃の妹とうりふたつ。 妹は身長170超えたのに、ボクは未だに150超えないし。幾ら身体を鍛えようとしても筋肉が付かない。 胸だって平らだけど僅かに柔らかくて、全体的に華奢(きゃしゃ)なんだ。どこまでも、いつまでも、女らしく、女らしく。 だからシフォンに嫌われたんだ。意地悪されるんだ。だから、だからっ、明日から男らしくなろう! 長く伸ばしてた髪も切ろう!! 明日から男になるからねっ、立派なお兄ちゃんになるからねっ!! だいたい、ダメなんだよボクはっ。家族以外の女性は緊張して上手く喋れなくて、結果的に妄想しやすいシフォンをオナペットにしてる。それじゃあまるでダメっ!! 「父さん、母さん、二人が見れなかった妹のウェディング姿、ボクがしっかり見届けるからねっ」 妹はグレちゃったけど、ボクがしっかり更正させるから。どこへお嫁さんに出しても恥ずかしくないようにするから。 ボクが『魔法』で、何とかするから。 『男は16歳まで童貞だと、願いを魔法として、一つだけ叶えられるようになる』 これは最近、科学的に証明された本当の事で、自分……もしくは自分の家族を対象に限り、その人ができる範囲なら願いが叶う。 例えば、百メートルを9秒で走れ。とかは無理だけど、運動不足にならないように週一でジョギングして。とかなら大丈夫。 これを使って、ボクは男らしくなる! 他の女の子とも話せるようになるんだっ!! 今は高1の秋で、ボクの誕生日まで、後2ヶ月。童貞卒業する予定なんて無いし、余裕だねっ♪ 「シフォン……ボク、頑張るから、ねっ、と」 そう決意して上半身を起こし、精子の浮かぶオナホールを洗う為にベッドからおりる。 そしてドアノブを捻って部屋の前、廊下に出た瞬間…… べちゃり。 ボクの右足は確かに、水浸しの床を踏み締めた。